JR西日本は25日、博多総合車両所にて「ハローキティ新幹線」車両の報道公開を実施した。サンリオの人気キャラクター、ハローキティとコラボし、山陽新幹線の車両500系をリニューアル。6月30日から新大阪~博多間「こだま730・741号」で運行開始する。

  • 「ハローキティ新幹線」(500系V2編成)が報道関係者らに公開された

「ハローキティ新幹線」の使用車両は、今年5月まで「500 TYPE EVA」で活躍した500系V2編成(8両編成)。西日本の地域活性化をめざすプロジェクトの一環で、ハローキティが案内人となり、期間限定で西日本の地域を取り上げ、地域と一緒に魅力を発信する列車として生まれ変わった。外観はピンクを基調に、地域を「つなぐ」「結ぶ」という思いが詰まったリボンをモチーフにデザイン。制服姿のハローキティを先頭車の1・8号車に、8府県(大阪府・兵庫県・岡山県・広島県・鳥取県・島根県・山口県・福岡県)の地域限定デザインのハローキティを各号車に配した。

報道公開では外観の他に1号車「HELLO! PLAZA」、2号車「KAWAII! ROOM」の内装設備も公開された。1号車「HELLO! PLAZA」は期間限定で西日本の各地域を紹介する空間とし、限定グッズや地域の特産品を購入できるショップスペース、地域の魅力にあふれる映像コーナー、風景を眺めながらひと休みできるスペースなどを設けた。

  • 「ハローキティ新幹線」の外観はピンクを基調に、リボンをモチーフとしたデザインを施した

運行開始に合わせ、最初に紹介される地域は、「山陰デスティネーションキャンペーン」が7~9月に開催される鳥取県・島根県。車内では「鳥取 ハローキティ」「島根 ハローキティ」のオリジナルペイントが利用者を迎える。一部日程では地域の関係者や「山陰DCアンバサダー」が直接乗車し、山陰の“いいもの”の紹介や旅の案内も行うという。鳥取県・島根県を紹介した後、10月頃から「幕末維新やまぐちデスティネーションキャンペーン・アフターキャンペーン」が開催される山口県を取り上げる予定となっている。

2号車「KAWAII! ROOM」では、利用者がハローキティと一緒に旅しているような気分を味わえるように、内装にハローキティのデザインを施し、おしゃれにかわいく装飾した。フォトスポットも用意されており、旅の案内人を務めるハローキティとの記念撮影も行える。車内のどこかにハローキティも隠れているとのこと。各車両とも車内チャイムは「ハローキティ新幹線」限定のオリジナルメロディに変更される。

  • 1号車「HELLO! PLAZA」。ショップスペースや映像コーナー、風景を眺めながらひと休みできるスペースを設置

  • 2号車「KAWAII! ROOM」。ハローキティ仕様の内装となり、フォトスポットも設けた

報道公開で取材に応じたJR西日本営業本部の財剛啓氏は、今回のコラボ企画について「私達には観光を通じて西日本各エリアを活性化させたいとの考えがあります。その中で(サンリオが)『ご当地キティ』と呼ばれる地域オリジナルのキャラクターを展開していることに注目し、一緒に『ハローキティ新幹線』を走らせようということになりました」と話す。「国内外で人気のキャラクターを採用したことで、新幹線をご利用いただき、鉄道で旅するきっかけにほしい。各地域の観光情報も提供しますので、西日本エリアの旅を楽しんでいただけたら」とコメントした。

「ハローキティ新幹線」は6月30日から上り「こだま730号」(博多駅6時40分発・新大阪駅11時13分着)、下り「こだま741号」(新大阪駅11時29分発・博多駅15時38分着)で運行開始。特設サイトに9月までの運転日が公開されており、7月18~20日、8月8~10日、9月3~5日、9月26~28日の「こだま730・741号」は「ハローキティ新幹線」以外の車両で運行される。

なお、「ハローキティ新幹線」は定期列車として当面運行予定だが、財氏によれば「前回のエヴァンゲリオン新幹線(500 TYPE EVA)でも、旅行会社の団体列車に使われたことがあります。具体的な計画はまだありませんが、今後は『こだま』以外の運行についても考えていきたい」とのことだった。

  • 500系V2編成「ハローキティ新幹線」の車内・外観