EXILEのTAKAHIROが24日、都内で行われたオムニバス映画「ウタモノガタリ-CINEMA FIGHTERS project-」公開記念「カナリア」舞台あいさつに、共演の夏帆、塚本晋也、メガホンをとった松永大司監督とともに登壇した。

  • 左から、松永大司監督、夏帆、TAKAHIRO、塚本晋也

作詞家・小竹正人氏の6つの詩から生まれた6つの新たな楽曲の世界観を、気鋭の6名の監督がショートフィルムで映像化し、それぞれの作品に登場する主人公たちの思いが"6つのtears"に凝縮され、物語と音楽が一体となって見るものの心を揺さぶる作品となっている同作。

東日本大震災をテーマに、愛する人を亡くした亮(TAKAHIRO)が希望を求めてさまよう姿を描く「カナリア」で主演を務めたTAKAHIROは、公開された感想を聞かれると「濃密な撮影期間だったんですけど、内容としても感慨深いところがたくさんあり、みなさんに見ていただいて、やっと作品が完成するという思いだったので、公開されて嬉しく思っております」と笑顔を見せた。

また、セリフがほとんどなかったというTAKAHIROは「ここまでセリフのない役は初めてでしたし、映画としては初主演ということで意気込んで臨んだんですけど、セリフがないところでどういった表現をするか、役者としてスタート地点に立たせていただいたような気持ちでした」と吐露し、「プレッシャーはすごくあったんですけど、監督とタッグを組ませていただいて、キャストのお2人には本当に助けられて演じさせていただきました」と感謝した。

一方、まったくセリフがなかったという夏帆は、演じる上で意識したことを聞かれると「短編なので撮影日数も少なくて、そんな中で私はこの映画の中でどういう立ち位置でいればいいのかと、本を読んで悩んでいました」と当時の心境を明かし、「撮影に入る前にエチュード(即興芝居)をTAKAHIROさんとやらせていただいて、2人の関係性はどういうものなのかと考える時間をいただいたんですけど、こういう風に役を作っていくことができるんだという発見もあり、すごく刺激的な現場でした」と目を輝かせた。

また、福島の帰還困難地域でも撮影を行ったそうで、感想を聞かれたTAKAHIROは「時間が止まっていて、街も建物もそうですし、その場所の重たさを肌で感じながら撮影させていただきましたし、ああいう場所でカメラの前に立たせていただく機会はなかなかないので、とても日本人としてもいろんなことを知ることができて、学びながら撮影させていただきました」と感慨深げに語り、夏帆は「震災から7年経って、私は福島から離れた東京で生活を送っていて、決して震災のことを忘れたわけではないんですけど、でも震災のことを考える時間が少なくなっているのは確かで、そんな中で実際に福島に行って改めて震災が残した爪痕ってこんなに深いんだって気付いて、決して風化させてはいけないと改めてこの作品を通して感じましたし、それはみなさんにも伝わるといいなと思います」と熱く語った。

さらに、現地の方から芋煮を振舞ってもらったという話題に及ぶと、TAKAHIROは「豚汁じゃなかったですかね。芋煮?」と疑問を持ちつつも、「美味しくて(夏帆と)2杯ずつくらいもらいました」と声を弾ませたが、その後も「芋煮? 芋煮?」と何度も首を傾げて笑いを誘った。