2018年3月10日から公開されていた映画『劇場版ウルトラマンジード つなぐぜ! 願い!!』(坂本浩一監督作品)のグランドフィナーレ舞台あいさつ&応援上映が、6月23日に東京・丸の内ピカデリー1にて開催された。

  • 上段左から、ウルトラマンブル アクア、ウルトラマンロッソ フレイム、ウルトラマンジード ウルティメイトファイナル、ウルトラマンゼロ ビヨンド、下段左から、小池亮介、平田雄也、濱田龍臣、小澤雄太

ステージには、『ウルトラマンジード』で主演の朝倉リクを務めた濱田龍臣、そして伊賀栗レイトを演じた小澤雄太が登壇すると同時に、今年7月7日より放送が開始される新シリーズ『ウルトラマンR/B(ルーブ)』からも主演の平田雄也、小池亮介の2人がかけつけ、ジードからルーブへと「ウルトラマン」の魂が受け継がれる瞬間を見ることができた。

『劇場版ウルトラマンジード つなぐぜ! 願い!!』は、2017年に放送されたテレビシリーズ『ウルトラマンジード』の映画版。地球を守るヒーローとして人々から認められたウルトラマンジード/朝倉リクが、全宇宙の滅亡を目論む巨大人工頭脳「ギルバリス」とギャラクトロン軍団を迎え撃つため、ふたたび激しい戦いの道を歩んでいく。クライマックスには、ウルトラマンジードが伝説のアイテム「赤き鋼」=ギガファイナライザーを手にして究極形態「ウルティメイトファイナル」に変身を遂げるほか、頼もしい仲間・ウルトラマンゼロ、そして2016年にテレビで活躍した『ウルトラマンオーブ』からウルトラマンオーブとジャグラス ジャグラー(魔人態)が参戦。すべての宇宙を守るため、ウルトラヒーローたちの総力戦が繰り広げられる。

グランドフィナーレでは、通常上映とは別に開催されて好評だった「応援上映」のスタイルで上映が行なわれた。今回は、劇中でのマスコット的キャラクター「ペガッサ星人のペガ」が企画した応援上映という設定で、映画冒頭でペガによる説明映像が流れるほか、ウルトラマンジードが怪獣に戦いを挑むシーンや、リクたちが悪い宇宙人と乱戦になるシーンなどで画面の隅にペガのマークが映し出され、子どもたちが画面に向かって大きな声で応援ができるよう工夫を凝らした演出がなされていた。

上映終了後、昨年6月の製作発表会見からおよそ1年もの月日が流れ、ウルトラマンジード/朝倉リクとして子どもたちの前に立つ機会がいよいよあとわずかに迫った濱田龍臣がステージに上った。濱田は「(グランドフィナーレは)一旦の区切り、という思いですが、やっぱり寂しいですね……」と、およそ1年間にわたって主演を務めてきた『ジード』という作品との別れが近づいていることに、一抹の寂しさをのぞかせた。

自分にとってウルトラマンジードとはどういう存在だったか?という問いに対しては「ウルトラマンになったという事実は、この後の人生でもずっと変わることがない。僕は一生ウルトラマンジードであり、朝倉リクとして地球のみんなを守るために、何歳になっても頑張りたい!」と、これからも機会があればいつでもウルトラマンジード、朝倉リクを演じていきたいという意欲を見せ、会場のファンから大きな拍手と歓声を集めた。

優しい心を持ち、妻と娘を常に第一と考える平凡なサラリーマンだが、ウルトラマンゼロと一体化したことで人格が豹変し、強気な性格になる伊賀栗レイト役・小澤雄太は、『ジード』がグランドフィナーレを迎えたことについて、「みなさんに映画を観ていただいたことで、この作品が本当に愛されているんだなあと改めて思います。僕のほうも、ゼロさんと出会っていろんなことを学び、成長させていただきました。『ジード』のあとも、頑張ってまいりますので応援してもらえたらうれしい」と、これまで演じてきたレイトという役柄に強い愛着を感じつつ、今後も俳優としてさらなる飛躍をしていきたいという心境を語った。

また、作品を通じて「強く願えば夢は叶う」ということを実感したと目を輝かせた小澤は、「リクくんが本当に気さくで親しみやすい性格で、それをみなさんと一緒にあたたかく見守ることができた。ゼロさんと共にここまで歩んでくることができてよかった」と、自身(レイト)にとってウルトラマンゼロという存在がいかに重要だったかを今一度強調する場面も見られた。

続いて、2018年7月7日より放送開始する新番組『ウルトラマンR/B』の主役コンビ、兄・ウルトラマンロッソ/湊カツミを演じる平田雄也と、弟・ウルトラマンブル/湊イサミを演じる小池亮介がステージに登場した。2人がウルトラマンファンの子どもたちの前に直接姿を現したのはこれが初で、濱田は「去年の僕と同じか~」と、昨年の『オーブ』から『ジード』への引継ぎが行なわれたグランドフィナーレの様子を懐かしそうに回想していた。

ウルトラマン史上初となる「同時に変身して戦う兄弟ウルトラマン」の湊兄弟と対面を果たした濱田は「兄弟ってうらやましいな!って思いました。やっぱり、家族って大切なものだと思うんです。僕(リク)が言うと重いでしょ(笑)」と、凶悪なウルトラマンベリアルの息子だという出生によって苦難の道を歩み続けてきたジードとの対比を語り、「兄弟であることを胸に刻んで、信じあって頑張ってください! 応援してます!」と、ファミリー感を強く打ち出した『ルーブ』に先輩ウルトラマンとして頼もしいエールを送った。

そして今回、『ジード』から『ルーブ』への引継ぎの意味を込めて、濱田から平田、小池にサイン入りデニムジャケット(劇中衣装のレプリカ)が贈られた。また小澤からは、ウルトラマンゼロの必殺武器である「ゼロスラッガー」(レプリカ)にサインを入れたものが平田、小池それぞれにプレゼントされた。

濱田、小澤からのサプライズに感激した平田は「お2人から大切なものをいただいて、身が引き締まる思いです。いよいよオンエアの日が近づいています。これからますます頑張っていきますので、応援をよろしくお願いします!」と、先輩ヒーローに感謝の意を示すと同時に、自身のこれからの活躍に向けた意欲をうかがわせた。

そして小池は「『ジード』がみなさんにこれだけ熱い思いを持ってくださるだけに、新しいヒーローである僕たちがどれだけ受け入れてもらえるか、楽しみであり不安」と複雑な心境をのぞかせながら、「ぜひ、『ウルトラマンR/B』を楽しんでいただけたらなと思います!」と力強くアピールを行った。

続いて、完成したばかりだという『ウルトラマンR/B』オープニング映像が大スクリーンにて上映された。主題歌「Hands」に乗せて、主要キャラクターの紹介がテンポよく流れるオープニングをファンと一緒に初めて観た濱田は、湊カツミ・イサミ兄弟に女子高生の妹・アサヒ、優しい父親のウシオがいると知り、またもや「兄弟ってうらやましいな~」と心底うらやましそうな感想を述べた。

そしていよいよ、ファンお待ちかねの「変身ポーズ披露」のコーナーへと突入。平田と小池が「オレ色に染めあげろ! ルーブ!」と叫んだ後、濱田が「つなぐぜ! 願い!!」小澤が「俺に限界はねえ!」とそれぞれリク、レイト(ゼロ)の決めゼリフを放ち、4人のウルトラマンが初の「同時変身」。ステージにはそれぞれの変身後の姿であるウルトラマンロッソ フレイム、ウルトラマンブル アクア、ウルトラマンジード ウルティメイトファイナル、ウルトラマンゼロ ビヨンドがさっそうと現れた。

新ヒーローとの引継ぎも無事果たし、いよいよフィナーレを迎えようとしている『ジード』の2人が、ファンに向かって改めてあいさつを行った。小澤は「1年と3ヶ月という期間、ウルトラマンという作品に関わることができて、いろいろ勉強になる部分があったし、僕自身の気持ちが変わる瞬間もありました。いろんな人たちの協力があり、いろんな人たちから勇気をもらって、しっかりとみなさんに作品をお届けできているというのが、すばらしいことだと思っています。この作品で僕とリクくん(濱田)との出会いがあり、お互いの絆を深め合うことができました。今後もこのような絆を生み出す『ウルトラマン』作品が作り続けられるはずですが、作品ごとにいろいろな形に変化していきますので、応援してくださるみなさんと一緒に進化していくことができたらいいな、と思っています。このたびは、ありがとうございました!」と、ファンに向かってのラスト・メッセージを熱く語った。

そして濱田は「リクくーん!」というファンの声援を浴びたことで感極まってしまい、「おかしいな、泣く予定じゃなかったんだけどな~」と、気がつけば涙が止まらなくなった様子。小澤やウルトラマンジードに抱きしめられつつ元気を振りしぼりながら「1年前は緊張していましたが、この『ジード』という作品を通じて自分自身が何倍も成長することができました! この成長は、これからの自分にとってもかけがえのないものになっていくと思ってます。『ウルトラマン』というとても大きなタイトルのおかげで、多くの人たちにお会いすることができました。みなさんの大きな愛を感じながら、ここまでやってこれました。これからもリクと一緒に、僕自身もいっそう成長し続けたいと思っています!」と、ときおり感動で言葉を詰まらせながらも、立派に『ジード』の座長としてファンへの感謝の言葉を伝えきった。

『劇場版 ウルトラマンジード つなぐぜ!願い!!』は、7月27日よりBlu-ray&DVDが発売される。そして新作テレビシリーズ『ウルトラマンR/B』は7月7日から毎週土曜日あさ9時~9時30分、テレビ東京系にて放送がスタートする。

(C)劇場版ウルトラマンジード製作委員会