俳優でタレントの片岡鶴太郎が主演する『終着駅の牛尾刑事』30周年記念作第2弾ドラマ『森村誠一ミステリースペシャル ガラスの密室』(テレビ朝日系/21:00~23:05)が、24日に放送される。第1作からメガホンを取ってきた池広一夫監督が同シリーズへの思いを語った。

  • 池広一夫監督

    池広一夫監督 -テレビ朝日提供

小説家・森村誠一の原作に牛尾刑事が登場して30年。長く支持されてきた『終着駅シリーズ』で第1作からメガホンを取ってきたのが、おそらく現役監督最高齢の池広監督(88歳)だ。今なお熱狂的なファンを持つ映画スター・市川雷蔵主演の『眠狂四郎シリーズ』、勝新太郎主演の『座頭市シリーズ』など、大映時代劇の黄金時代を代表する作品を手掛けた名匠として知られる。

大映倒産後はテレビの世界に新たな活路を見出し、1990年に『終列車』の第1作目を担当。以降シリーズ化し、4作目まで主人公の牛尾刑事を演じていた俳優の露口茂の降板後、4人が2代目牛尾刑事候補にあがっていたが、池広監督が選んだのは片岡だった。

池広監督は「他の3人は当時有名なスターだったから、鶴さんだったら新しい味が出るんじゃないかと思ってね」と起用の理由を語る。「会ってみたら非常にマジメな方でね、ただ、あの頃はボクシングをやっていたから目が鋭くて…」と明かし、牛尾刑事らしい穏かなまなざしに変えてもらうのに苦労したという。

そんな『終着駅シリーズ』に込めているのは、「若者への優しいまなざし」だと語る。作品の舞台である新宿では「孤独な若者が挫折の果てに犯罪に走ってしまうこともある」とした上で、「排他的になりがちな都会の中で、牛尾は人の心に寄り添う刑事として存在します」と述べ、「彼の持っている温かいまなざし、そしてこの人になら話せると相手が思えるような安心感を大事にしている」と説明した。

また、池広監督は『終着駅』シリーズを「最後の仕事」と位置付けているという。「このシリーズが続いて、なおかつオファーがある限りはやりたい」と創作意欲を語り、最後に「このシリーズがあるからこそ僕も現役でいられるわけで、続けてこられたのは鶴さんが主演してくれたからこそ。鶴さんが主演で、本当によかった」と、片岡への感謝の気持ちを語った。

  • 『森村誠一ミステリースペシャル ガラスの密室』
  • 『森村誠一ミステリースペシャル ガラスの密室』
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