よく、週刊誌の中吊りで「フリーアナの仕事がない!」、「フリーアナ戦国時代」などという見出しを見かけることがあります。私もフリーライターという明日は何が起こるか分からない職業です。もともとは出版社の社員でしたけど、性分を考慮してフリーランスになりました。10年以上経過して、すべてが順風満帆なわけでもなかったですし、とにかく運良くここまで生き抜いているな、というのが実感。
ライターとはまったく違って、いや同じ土俵にあげるのも失礼ですけど華やかなステージのフリー女子アナウンサー=タレント。顔こそお茶の間で知られているけれどどこか一般人にも著名人にも近いという微妙な立ち位置ではないでしょうか。
今回ふと彼女たちに見つけてしまったのは"アヤ"という名前がつく女子アナは、何かと強いという共通項。アヤ、アヤコ。気になった3人の女性の記憶を反すうしてみたいと思います。
大御所タレントにも緊張知らずの肝っ玉姐さんぶり
"アヤ"と名前がつくフリー女子アナと言って一番に思い出すのは、なんといっても元フジテレビの高島彩さん。深夜番組『アヤパン』(フジテレビ系 2001年)で新人アナなのに冠番組を持つところから世間はザワザワ……。その後も明石家さんま、ダウンタウン、ビートたけしと大御所と共演してもまったく緊張もせず、動じず。むしろイジる側にいる姿を見て「すっごいのが出てきたな……」と目を丸くした。
彼女の出演した番組で鮮明に記憶が残ったシーンがひとつある。メーンキャスターを務めていた『めざましテレビ』(フジテレビ系・1994年~)で現在の夫・北川悠仁さん(ゆず)と生放送で共演したときのことだ。愛する彼氏がまさかの月9出演の番宣で登場したにも関わらず、彼女の顔色は何ひとつ変わらなかった。むしろ周囲の緊張感のほうが画面からぐんぐん伝わってくる。女優ではないプロとしての務め。高島さんは女子アナという職業のハードルを上げた瞬間を見届けてしまった朝だった。
局アナという会社員の立場とはいえ、可愛いだけでは仕事は来ないと彼女の背中が教えている。というよりも女子アナ・カーストの風潮を世間に気付かせた開拓者かもしれない。
そして今では2人のお子さんと人気ミュージシャンの旦那に恵まれて、仕事もこなす。なんとソツがない人生なのだろうとインスタをフォローしてみた。このマネで私にもソツのない人生が待っていることを期待。
女子アナ戦国時代をオリジナル手法で生き抜く
前述の高島さんの後輩にあたる"アヤ"アナといえば、カトパンこと加藤綾子さん。度胸の良さ、大物斬り、めざましファミリーというところでは高島パイセンを見習っているのか。
ただ一点違うとすれば、所属事務所に俳優陣が多いせいもあるのか女優業に進出してきたこと。高島パイセンは『下町ロケット』(TBS系 2015年)に2話ほど出演経験があるものの、どうもしっくり来なかったのか以降の演技出演がない。でも加藤さんは放送中の『ブラックペアン』は堂々の6番手あたりをキープ。連日連夜、医師たちとの接待で仕事を取りにかかる。
「私、一流が好きなんです。佐伯先生(内野聖陽)も渡海先生(二宮和也)も一流なので好きです」
このセリフが刺さった。なんだか彼女の本音がチラ見えたのは私だけか。アナウンサーから女優への転向といえば故・野際陽子さんがパイオニアだ。綾子パワーでぜひ新しく女優道を極めて、女子アナの仕事枠を増量してあげてほしい。
で、その新しさ……で言えば現在は一般人となられてしまった、元フリーアナウンサーの伊藤綾子さん。言わずもがな、2016年に国民的アイドルとの交際報道と同時に、彼との交際を"匂わせる"ブログも流出。グッズにCDにメンバーからのプレゼントに……ととんでもない画像を拝ませて楽しませていただいた。
ただ当時、彼との身分差を考えると「愛されている自信がないからこういう余分なことしちゃうんだろうな」と私なりに大人の解釈。周囲の妙齢女性軍もほぼ同じ意見だった。きっと事務所に別れさせられる。ああ、彼女も美人なのだからせめて野球選手や、国会議員でも射止めておけば仕事も地位も失わずに済んだのではないだろうかと女として同情した。が、同情を覆させられることになった最近。
事務所退所後も交際が発覚。2年間、とんでもない量の揶揄を物ともせず、彼女というポジションをキープしていたとは驚いた。執念、いや怨念か。匂わせが一気に悪臭に変わった瞬間だったように思う。
ただ伊藤さんは女子アナだからといって簡単に結婚できるわけではない。周囲になんと言われようとも怯まないど根性が必要なんだと新しい訓示を示したように思う。さっさと別れて新しい人生を切り開くチャンスも時間もあっただろうに、それを粘りの愛に注いだ。結婚するのかどうか、行方が非常に気になる。一般人とはなってしまったけれど、おそらく彼女から情報をリリースしそうな気配なのでそれを待ってみようか。
"あや"と辞書を引くと「まぶしいほどりっぱなさま」「まばゆいほど美しいさま」など彼女たち3人を表すような意味が次々に出てくる。自分を貫くということを体現するフリー女子アナ(元・含む)たち。余談だけれど『あなたには帰る家がある』(TBS系 毎週金曜22:00~)で木村多江さん演じる、主婦ストーカーも"茄子田綾子"という名前だった。自分に息子ができたら言いたい、「"アヤ"という名前の女性には一旦、警戒心を持て」と。