フジテレビのドキュメンタリー枠『ザ・ノンフィクション』(毎週日曜14:00~ ※関東ローカル)では、無理心中事件を起こした女性の息子に密着する『父を殺した母へ ~無理心中から17年目の旅~』を24日に放送する。
今回の主人公は、昨年夏に東京・下北沢で街頭インタビューをしていた番組スタッフが出会った、前田勝(本名:趙勝均)さん、34歳。舞台役者の前田さんは今、自身の母親を主人公にした公演を行っているという。
カメラの前で、前田さんが語り始めた「家族」の話は、あまりにも壮絶だった。韓国で生まれてすぐに両親は離婚。母は日本に出稼ぎへ行き、親戚の家をたらい回しにされて幼少時代を送る。7歳からは、台湾の実父の元で育ち、13歳の時に、日本人と再婚した母に呼び寄せられる形で、名古屋で暮らしていた。
そんな中、事件が起きたのは2002年、18歳の春。継父との夫婦仲に思い悩んだ母が、継父を撲殺した後、自ら身を投げるという無理心中事件を起こした。勝さんは、被害者と加害者の息子となり、“家族”も身寄りもいない日本で独りぼっちになってしまったのだ。
母に対して、恨みと憎しみを持ったまま生きてきた勝さん。16年の時が過ぎても、母はなぜあんな事件を起こしたのか? なぜ自分を棄てたのか?と疑問は消えない。番組では、そんな母が遺した携帯電話や手紙を頼りに、母の人生をたどる勝さんの“旅”を追っていく。
ナレーションは、俳優の池松壮亮が担当する。