もうすぐ嬉しい夏のボーナス。昨年のボーナス額を思い出しながら、今年はいくらもらえるかなとワクワクしている人は多いでしょう。「預貯金がいくら増えるかな」「家電の買い替えをしたいな」「旅行にも行きたいな」なんて電卓をたたきながらいろいろ思いをめぐらせるのは楽しいことですが、ふたを開ければ予想が違っていた……なんてことも無くはありません。

  • ボーナスが「予想外」だったら……?

    ボーナスが「予想外」だったら……?

予想通りになれば幸いですが、予想が外れる心構えもしておくほうが賢明です。今回は、万が一予想が外れたときのおススメ対処法を紹介します。

ボーナスが予想より少なかった!

ボーナス時期が近づくと、多くのリサーチ機関がボーナスの予想額を発表します。たとえば日経新聞社が実施している「賃金動向調査」やみずほ総合研究所の「2018年夏季ボーナス予測」によると、2018年の夏のボーナスは前年に比べて4%台のアップの予想。こんなニュースを見聞きするとついつい期待してしまいますね。

ところが60万円程度もらえると思っていたのに40万円しかもらえなかったというように、期待に反して考えていたより少ない場合は、考えていた使い道を変更しなければなりません。

ボーナスを全額貯蓄するつもりなら、貯蓄にまわすはずだった金額が60万円から40万円に減るだけで、使い道自体は変わりません。それでも今回の60万円の貯蓄で「目標額の●●万円に到達!」なんて期待があったなら、20万円不足に対するガッカリ感は否めません。より早く目標額に近づけるように、少しでも金利の高い金融商品を探してみましょう。ボーナスキャンペーンなどの情報もこまめにチェックしておきましょう。

半分貯蓄で残り半分は使うことを予定している人は、使う予定の分でやりくりするのが理想です。たとえば60万円のうち30万円は貯蓄、30万円で海外旅行と予定していたとしましょう。40万円しかもらえなくても、貯金の30万円はそのままキープ、旅行は10万円に旅費ダウンという具合です。働いていると決まった時期にしかお休みを取れなかったり、休息が必要だったりしますから旅行に行くという目的は叶えたいものです。行き先を変えてみるとか、グレードを下げてみるなどの工夫をしてみましょう。

問題は60万円もらえることを予想して、ボーナス払いで60万円分の買い物をしてしまったとき。当てが外れて40万円しかもらえなければ、不足の20万円を工面しなければいけません。もしもカードの引落日に支払いできなければ遅延損害金の支払いが生じて、一定期間カードの利用を止められてしまうことがありますから、それは絶対避けましょう。

ところで、引落日の少し前にカード会社から「リボ払い」の案内を送ってくる場合があります。遅延損害金や利用停止を免れることができ、貯金も取り崩さなくても良くなるのなら、それに越したことはないと考える人もいるかもしれません。しかしこれは絶対におススメできない方法です。

その理由は結局、支払額が増えてしまうということ。そもそもボーナス一括払いなら手数料はかかりませんが、リボ払いにすれば手数料がかかります。また、リボ払いの仕組み上、毎月の支払額が一定となり、後日追加でカードを利用しても月々の支払額は一定のまま。つまり、支払い期間が延び、より多くの利息を払うことになるのです。この場合は貯金を取り崩してでもボーナス一括払いで支払うほうが賢い方法。そもそもはボーナス額が確実でない場合は、あらかじめボーナス払いで大きな金額をカードで払うのは避けておきましょう。

ボーナスが予想より多かった!

ボーナスが予想より多いラッキーな場合もあります。たとえば60万円の予想が実際は70万円だったとき。このときに注意しておきたいのが、ついつい気を緩めてしまうこと。たとえば20万円で家電を買い替える予定にしていたところ、10万円余計にもらうことで、店頭ではついつい高価なものに目が行ってしまうかもしれません。見ているうちにさまざまな機能のついた最新家電が欲しくなり、35万円のものを購入……となればボーナスの上乗せ分よりも5万円多く使ってしまうことになります。貯蓄や旅行、買い物等のいずれの場合も、元々予定していた使い道は変更しないほうが賢明でしょう。

では、予想より多かったボーナスの使い道はどのようにすればいいのでしょうか。これまで投資をしたことがないという人は、この余ったお金で投資にトライしてみるのもいいでしょう。余裕資金で行うのが基本とされる投資には、このボーナスの余ったお金でデビューするのが適しているとも言えます。

もしもカードローンなどがあれば、余ったお金で繰り上げ返済をしましょう。支払うべき利息が削減されるのでお得です。住宅ローン、マイカーローン、カードローンというように、複数のローンがある場合は金利の高いものを選んで返済するほうが繰り上げ効果は上がります。ただし、繰り上げ返済に手数料が必要な場合は繰り上げ効果が得られない場合もあるのでしっかりシミュレーションをしてください。

そしてなにより自分へのご褒美も少しはしてあげたいものです。半年間しっかり働いて会社からいただくボーナスですから、有効に使えればいいですね。

著者プロフィール: 武田明日香(たけだ あすか)

エフピーウーマン所属、ファイナンシャルプランナー。日本テレビ「ZIP!」やTBSテレビ「あなたの損を取り戻せ 差がつく! トラベル! 」、「Saita」「andGIRL」等の雑誌、「web R25」「わたしのマネー術」等のウェブサイトなど幅広いメディアを通じ、お金とキャリアの両面から女性が豊かな人生を送るための知識を伝えている。お金の知識が身につく初心者向けマネーセミナー受付中(受講料無料)。