エアバスは6月19日、キャセイパシフィック航空にエアバスA350-1000を仏・トゥールーズのエアバス本社にて引き渡したことを発表した。同社はカタール航空に続く、A350-1000の世界で2番目の運航会社となる。キャセイパシフィック航空は香港からワシントンD.C.へ、香港からの最長飛行にあたる約17時間の直行便に導入する。

  • 6月19日、キャセイパシフィック航空にA350-1000をデリバリー

    6月19日、キャセイパシフィック航空にA350-1000をデリバリー

この初号機は、バイオ燃料が混合されたジェット燃料を使用して、ホームグラウンドである香港に向けて運航された。キャセイパシフィックの新たな運航機材に加わるA350-1000は、2021年末までに計20機の引き渡しが計画されており、2018年中には今回受領した初号機を含めて8機の受領を予定している。また、A350-900に関してはすでに22機が納入されている。

A350-1000は7月1日に台北へ運航される最初の商業運航の後、アジア各地へのフライトを経て、9月15日に開設される香港=ワシントンD.C.線の初便として、キャセイパシフィックの就航路線で最長航続距離となる8,153マイル(約1万3,121km)を飛行する。先端技術が用いられたA350-1000は今冬から、香港=マドリード/テルアビブ/アムステルダム/マンチェスター/チューリッヒ線にも投入される。

キャセイパシフィックはA350の導入を進めながら、2年間の間に香港=バルセロナ/ブリュッセル/クライストチャーチ/コペンハーゲン/ロンドン・ガトウィック/テルアビブ/ダブリン線など、数多くの路線でノンストップ便での乗り入れを果たしており、11月に開設する香港=ケープタウン線にも、A350-900を投入する。

  • A350-1000は、ビジネスクラス、プレミアム・エコノミークラス、エコノミークラスの3クラス構成

    A350-1000は、ビジネスクラス、プレミアム・エコノミークラス、エコノミークラスの3クラス構成

A350-1000はA350の中で最大型であり、キャセイパシフィックのA350-1000はビジネスクラス、プレミアム・エコノミークラス、エコノミークラスの3クラス構成で、座席総数はA350-900より54席多い、計334席となる。また、最新技術が駆使されたロールスロイス社製トレントXWB-97エンジンを搭載するA350-1000は、世界最大級の貨物航空会社でもあるキャセイパシフィックにとって重要な高い貨物搭載能力も備えている。

最新鋭機の客室デザインに際しては快適性の追求に重点が置かれ、最新のエコノミークラスにはより広い座席とより高解像度のパーソナルテレビを導入すると共に、より進化した機内エンターテイメントシステムとLEDムード照明を備える。また、A350-1000の客室内における知覚騒音レベルは、従来よりも50%低減される。さらに、機内Wi-Fiサービスにより、インターネット接続は飛行中を通して提供されるようになる。

  • 香港=ワシントンD.C.線にA350-1000を導入する

    香港=ワシントンD.C.線にA350-1000を導入する

A350-1000では客室内の気圧を従来よりも高く保ちながら、酸素をより多く供給することで、最も効率的な飛行高度を6,000フィート(約1,830m)まで下げられるようになり、乗客の疲労軽減と快適な旅行体験に寄与する。

キャセイパシフィックのカスタマー&コマース最高責任者であるポール・ルー氏は、「私どもの長距離用運航機材の平均機齢は業界でも若い水準を誇っていますが、A350-1000の受領によって保有機材の平均機齢がいっそう若くなります。A350-1000に先立って導入したA350-900は、従来を上回るペースで拡大を続けるキャセイパシフィックの長距離路線ネットワークを支える役割を担っており、ノンストップ便による旅行目的地の選択肢の幅を広げると同時に、アジア最大の国際航空輸送拠点である香港の地位向上にも貢献しています」とコメントしている。