エアバスは6月18日(トゥールーズ時間)、最新ワイドボディ機のA330neoが、航空会社による実際の商業運航に向けた機体の実用性を実証する飛行試験ツアーを開始したことを発表した。航空機の型式証明取得の最終段階であるこの実用飛行試験(function & reliability tests)は路線実証飛行試験としても知られ、ETOPS運航(双発機が洋上飛行をする際に課せられる制限)、代替空港への着陸、空港でのハンドリングサービスのテストなどを行う。
A330neoはエアバスの欧州にある工場上空を飛行した後、世界5大陸におよぶ15の主要空港へ飛行し、合計150時間の飛行試験を実施する。今回の実用飛行試験は、革新的客室「Airspace by Airbus」を装備した、ローンチオペレーターであるTAPポルトガル航空のA330-900で実施している。同機は5月15日、初飛行して空調などの客室システムの検証を行い、飛行試験プログラムを開始した。
今回の飛行試験は、今夏に予定されている型式証明取得のために必要な最終試験のひとつとなる。現在、2機のA330-900テスト機とTAPポルトガル航空の機体が飛行試験プログラムを実施しており、エアバス工場の上空を飛行する間に合計1,000飛行時間に到達する予定。
2014年にローンチしたA330neoは市場をリードするA330 ファミリーの最新派生機で、共通性を99%確保するA330-800とA330-900の2機種で構成されている。A330ファミリーの実証された経済性と柔軟性、高い信頼性を保持しながら、前世代の競合機と比較して燃料消費を座席あたり約25%削減する。また、現在運用中の多くのA330と比べ航続距離を最大1,500海里延長する。新型のロールス・ロイス社製「Trent7000エンジン」を装備し、主翼の延長、A350 XWBの技術を取り入れ特別に開発したウィングチップ「シャークレット」を特長としている。さらに、快適な新客室「Airspace by Airbus」を装備している。