最近よく聞く「スメハラ(スメル ハラスメント)」。これは、匂いにより周りを不快にさせることを意味した造語。タバコ臭や体臭などが指摘されることが多いものですが、最近は強すぎる「柔軟剤」の匂いも問題になっています。
匂いの害、最大の問題は「匂いが見えない」こと。人間の鼻は自分の匂いに慣れてしまうため、他人の匂いには敏感にもかかわらず、自分の匂いには気づきません。このため、自分では大丈夫だと思っていても、じつは周りの人間には不快な思いをさせていたということも。よほど親しい間柄でもない限り、誰かに対して「臭い!」とは指摘しにくいため、ますます自分の臭いを自覚することは困難となります。
ところが、そんなスメハラ問題を簡単に解決してくれそうなガジェットが発表されました。それが、7月1日に発売のタニタ「においチェッカー ES-100」(以下、ES-100)です。価格はオープン、推定市場価格は12,800円(税別)です。
気になる匂いを10秒でチェック
ES-100はほぼ名刺サイズで、厚さ約2.5cm(最厚部)の手のひらサイズ。重量も約60gと軽量でジャケットの胸ポケットにも簡単に入り、どこにでも持ち歩けるのが特徴のガジェットです。
「においチェッカー」という名前の通り、ES-100はニオイを判定する機器で、センサーでチェックしたニオイの「強さ」を11段階で液晶画面に表示してくれるます。使い方も簡単で、本体上部のセンサー部をねじるように引き出すと電源がオンとなります。
電源が入ると液晶画面に数秒「WAIT」と表示され、その後「START」という画面に変化。このタイミングで気になる部位にセンサーを近づければ、10秒ほどでセンサー付近の臭いの「濃さ」を測定してくれます。タニタによると、測定したい部位からセンサーを1cmほど離した距離が正しい測定距離だそうです。
ちなみに、測定結果はニオイの強さにあわせて11段階のレベルで表示。タニタがいうには、このレベルが「5」を超えると「デオドラントサイン」。つまり「周りが気になるレベルの臭いを発している可能性が高い」ということです。
あれもこれも!会場でニオイをチェックしてみた
会場にはさまざまな「臭いのもと」が用意されており、これらを自由にチェックすることもできました。とくに、お酢やタバコなどの刺激臭には敏感に反応するようです。タバコの匂いは、喫煙ルームや喫煙可能な喫茶店などに行くと一瞬で衣類に移ることがあるため、これらのチェックができるのは便利だと感じました。
スタッフによると、体臭チェックでオススメの部位は「身体の中心」だそう。人間は身体の中心から皮脂を分泌しやすいため、とくに男性は頭頂部や肩甲骨の間、耳の裏などをチェックするとよいそうです。
女性スタッフによるオススメチェック部位は「脇」。とくに薄着の時期になると、脇の臭いが気になって電車などのつり革につかまることをためらう人もいるそう。そんなとき、臭いを判断できるES-100はとても魅力的です。また、出かける前に使うことで、香水のつけすぎを防いだり、強すぎる柔軟剤の香りを確認したりできる点も便利なんだとか。
最近は柔軟剤の香りが長く残るように調整されており、香水の代わりに使用している女性も増えています。使っている本人は、徐々に柔軟剤の香りに鼻が慣れてしまいがち。そのため「前回よりも多めに」と、だんだん柔軟剤の使用量が増えて「スメハラ」に発展することもあるそうです。こうした意図しないトラブルの予防にも、ES-100は役立ちます。
センサー部分は交換も可能
ES-100は永久に使えるわけではありません。臭いを検知するセンサーは徐々に劣化するため、使用回数に制限があります。基本的には、約2,000回の使用か、約1年でのセンサー交換が推奨されています。
センサー部は別売り(単体販売予定)で、価格はオープン。推定市場価格は5,000円前後となっています。付け替え方法はセンサー部を引き抜いて入れ替えるだけと非常に簡単です。センサー部にはROMが入っており、使用回数を自身で記録しています。そのため、起動時におおよその残り使用回数を目盛りで表示する機能も搭載しています。