FIA世界耐久選手権(WEC)2018-19スーパーシーズン第2戦 第86回ル・マン24時間レースが6月17日15時にゴールを迎え、トヨタが悲願のル・マン初優勝を果たした。

  • TOYOTA GAZOO Racingが悲願のル・マン初制覇!

見事1位の座に輝いたのは、TOYOTA GAZOO Racingの「TS050 HYBRID 8号車(中嶋一貴/セバスチャン・ブエミ/フェルナンド・アロンソ)」。2位にも「TS050 HYBRID 7号車(小林可夢偉/マイク・コンウェイ/ホセ・マリア・ロペス)」が入り、TOYOTA GAZOO Racingは最前列スタートから一度もトップ2を譲らない完璧なレース運びで、ル・マン24時間レース完全制覇を果たした。

  • 2台の「TS050 HYBRID」は、序盤から互いに順位を入れ替えつつ、通算5,286kmを走破する中で首位争いのドラマを繰り広げた

「TS050 HYBRID 8号車」はポールポジションからスタートを切り、全388周を走破してトップチェッカーに。ポール・トゥ・ウィンでル・マン24時間レースを制覇するという快挙を達成。8号車の3人のドライバーは、WECのシリーズランキングでもさらにリードを広げることとなった。

  • 8号車は速度規制区間での速度違反でストップ&ゴーペナルティを受け、一旦は7号車との差が広がったものの、深夜走行時にアロンソが猛烈な追い上げを見せ、再び7号車と8号車がトップを競る展開に

7号車もレースでは度々トップを快走し、2位表彰台を獲得。サルト・サーキットに集まった25万6,900人のモータースポーツファンの前で、トヨタは完璧なまでの勝利を飾った。

  • レース終盤まで8号車と7号車は僅差の同一周回で首位を争っていたが、7号車は終盤に燃料使用量の上限超過違反により後退。最後には8号車の中嶋一貴氏が2位の7号車に2周差を、3位には12周差をつけ、彼自身にとっても念願のル・マントップチェッカーを受けた

トヨタからはこれまでに、延べ47台のレース車両がル・マン24時間レースに参戦。6度の表彰台を獲得してきたものの、勝利には至っていなかった。今大会は、通算20回目の挑戦。この勝利により、トヨタは日本メーカーとして2社目となるル・マン24時間レース勝利を成し遂げた。また、中嶋一貴氏の勝利は、ル・マン史上初の、日本人ドライバーと日本の自動車メーカーによる総合勝利となる。

  • 会場を熱狂の渦に巻き込んだ8号車

今回の圧勝は、トヨタ自動車東富士研究所とドイツ・ケルン市にベースを置くTMG関係者の、弛まぬ努力と熱意の集大成によるものと言える。スタッフの絶え間ないハイブリッド電動技術の開発によって、2012年の参戦時に対して35%もの燃料消費減を実現しながらも、最終的には「TS050 HYBRID」をきっちりと勝利に導いた。

  • 「ついに長い間持ち望んでいた優勝を手にすることができ、言葉にならないほど嬉しいです」とコメントした中嶋一貴氏(写真中央)

WECの次戦となる第3戦シルバーストーン6時間レースは、9週間後の8月17~19日にかけて行われる。ル・マン初勝利で勢いをつけたTOYOTA GAZOO Racing。次戦での活躍にも期待が膨らむ。