JR東海はこのほど、在来線で使用しているトンネル覆工変状検知装置(トンネラス)をより高精度なものに入れ替えたと発表した。機能向上により、これまで以上に効率的な検査が可能になるという。
トンネラスは道路と線路の両方を走行できる保守用車両で、トンネル内では線路上を走行しながらカメラで内壁の状態を撮影する。従来は撮影した画像と目視検査の結果を施設係員が照合し、ひび割れの幅や長さを測定して壁の表面に生じたひび割れを記した図面を作成。さらに、この図面を過去の図面と比較することで状態の変化を把握し、目視による検査結果と合わせて修繕の必要性を判断していた。
同社によれば、新しいトンネラスはカメラの解像度が向上し、従来は幅1mm程度のひび割れしか検出できなかったのに対し、幅0.3mm程度のひび割れまで検出できるようになるという。また、撮影した画像上にひび割れがあると幅や長さを自動で計測する機能も追加され、ひび割れが進行した箇所とその進行具合をより正確に把握できるようになる。
さらに、高精度のレーザーも搭載され、列車とトンネル内壁との距離が適正な範囲内に保たれているかどうか(建築限界)の測定も同時に行えるようになる。このレーザーはトンネル内部の表面の凹凸を1断面あたり1万カ所の測定点で高精度に測定することができるため、目視やカメラで撮影した画像では確認が難しかった形状変化もよりきめ細やかに把握できるようになるという。導入時期は2020年4月を予定している。
※写真はイメージであり、本文とは関係ありません。