エアバスは6月14日(ハンブルク時間)、ハンブルクで4番目のA320ファミリー製造ラインが稼動したことを発表した。最先端の革新的な製造ラインはデジタル技術とより柔軟性の高い産業機器を活用し、2019年半ばまでに単通路型プログラムの月産レートを60機に増加する目標に向けて重要な役割を担う。
製造ラインには胴体に自動穿孔する7軸のロボットが2台設置されている。ロボットは胴体上部の穴あけのおよそ80%を担い、人間工学的に作業環境を改善した。ロボットは正確性の高い穿孔技術を備え、やり直し作業を減らし、恒常的に高い製造の質を確保している。また、革新的な新製造ラインは、レーザートラッカーにより自動で位置を決めて動く可動型プラットフォームを使用する。
新製造ラインに適用した新技術とプロセスは、デザイン思考の原理に従って従業員と緊密に協同して設計、実行された。その結果、3m以内に作業ステーションにおける必要な全ての材料が用意され、歩く距離を短縮し、部品が取り付け準備の整った状態で用意されるなど、近代的でより効率的な作業環境が生まれている。この新技術と作業プロセスの多くが、現在、世界中のエアバス製造ラインに適用されている。
エアバス民間航空機部門社長のギヨム・フォーリ氏は、「最も近代的で最新のA320製造ラインが稼動したことにより、効率性を高めデジタル技術を活用した航空機製造の新たな一章が開かれました。新技術は、私達が航空機をより効率的に製造し、生産レートを増加する上で大きな役割を果たすでしょう。エアバスの新しい製造基準をコンセプトから実現化したチームに感謝します」とコメントしている。
A320ceoとA320neoファミリーはこれまでに1万4,000機以上の受注を獲得し、8,100機以上を引き渡しているベストセラー単通路型機となっている。最新型エンジンと大型のウイングチップであるシャークレットを装備し、現時点で 15%以上の燃費削減を提供し、2020年までには 20%の燃費削減を可能にする。現在、A320neoファミリーは100社から6,000機以上の受注を獲得し、約60%の市場シェアを持っている。
A320ファミリーは欧州、中国、米国の工場で製造されている。エアバスはハンブルクで新しい製造ラインの他、より大きく最新設備を備えたA320ファミリーデリバリーセンターを稼動し、より多くの顧客に対して、デリバリーに係る作業の効率性とサービス向上を実現する。