NPO法人ファザーリング・ジャパンはこのほど、「子育て世代の100年ライフに関する意識調査」の結果を発表した。調査日は2018年4月25日、調査対象は子育て中の30代・40代、有効回答は1,038人。
定年後の人生には楽観的
「人生100年時代」について、どのような意識を持っているか尋ねたところ、「知っているし関心もある」との回答はわずか17%だった。また「人生100年時代」と聞いてどのように感じるかとの問いに対しては、59%が「不安を感じる」と回答し、「不安も感じるが期待も感じる」の30%と合わせて約9割が不安を感じていた。
一方、定年後の人生については、50%が「ポジティブな印象(とても+どちらかというと)」と回答。同調査では「現在の良い定年ライフを見て、子育て世代の『定年後の人生』をポジティブにとらえているのだとすると、楽観的にイメージしている危険性も考えられる」と指摘している。
今後の人生に関して不安に感じることを聞くと、「定年後の生活資金」(60%)、「年金受給の有無」(55%)、「自分自身への健康」(52%)など、金銭面や健康面への不安が5割前後を占めた。他方、不安を解消する「人生やキャリアのための行動」を取っている人は2割に満たず、特に「無形資産」を増やす行動は「家族との時間や生活を大切にしている」を除き、1~2割にとどまった。
さらに「人生100年時代への期待と不安」に影響を与えるのは、「現在の仕事に対するやりがい」「現在の仕事と将来のキャリア展望」「5年後・10年後のキャリアプラン」である事が判明。同調査では、やりがいを感じる現在の仕事から、将来へのキャリアを主体的に描けると、不透明と感じがちな「人生100年時代」への期待も高まると同時に、「学びの機会」もそれぞれに影響を与えると分析している。