楽天モバイルは、2019年10月に携帯電話事業に新規参入する意向を明らかにしています。NTTドコモ、KDDI、ソフトバンクに次ぐ第4の通信キャリア(MNO)になった後、楽天モバイルのMVNO事業については、どうなってしまうのでしょうか。
ファーウェイのP20シリーズを追加
まずは、記者説明会の内容からお伝えしていきましょう。この日は「新端末」と「新料金プラン」が発表されました。
製品ラインナップに追加された新端末は「HUAWEI P20 lite」(31,980円)と「HUAWEI P20」(69,800円)の2機種(価格は税別、以下同)です。発売は、P20 liteとP20とも、Webが6月14日20時から、ショップが6月15日から。発売にあわせてお得なキャンペーンも実施されます。
割引、大容量、かけ放題が強化
新料金プランは、現行の「スーパーホーダイ」をリニューアルしたもので、6月14日20時から提供を開始します。通話定額かつ高速通信容量の上限を使い切った後も、下り最大1Mbpsでネットが使い放題、という特徴の同サービスですが、新たに「長期割」が用意されました。
2年契約なら500円/月、3年契約なら1,000円/月が月額基本料から割り引かれます。さらに、楽天会員なら500円/月が、ダイヤモンド会員であれば(1年目の対象月が)500円割引に。例えば、楽天会員となって、新規3年契約で「スーパーホーダイ プランS」を選んだ場合、2年間は月額基本料1,480円(3年目は2,980円)となります。
また、大容量パケットの「プランLL」(24GB/月)が追加されました。これにより、選べる通信容量は2GB、6GB、14GB、24GBの4種類に拡大。さらには音声通話の5分かけ放題プランが、7月1日から「10分かけ放題」にアップグレードされます。料金は据え置きで、既存ユーザーも自動に切り替わるとのことでした。
登壇した楽天 執行役員 楽天モバイル事業の大尾嘉宏人氏は、ワイモバイル、UQモバイルの料金プランとの比較を通じて、スーパーホーダイの優位性を強調します。それだけ強くライバル視しているということでしょう。
MNOに関する質問が集中
質疑応答が始まる前、司会からは「質問はMVNO事業に関するものに限ります」とアナウンスがありました。しかし、この日に発表されたスーパーホーダイの「長期割」を適用した場合、来秋にスタートさせるMNO事業との兼ね合いが大きな問題となります。そんなわけで、質疑応答と囲み取材ではMNO事業についての質問が記者団から相次ぎました。
以前、楽天モバイルのMVNO事業は、MNO事業にマイグレーション(移行)していくとの説明があったが……、との指摘に対して大尾嘉氏は、「MNO事業を開始した後も、MVNOとしての楽天モバイルも継続していきます。ただ、楽天としては良質なネットワークをつくっていきたい。だから最終的には、MVNOのお客さまもMNOの方に移行していただけたらと思っています。MVNOのお客さまには、MNOに移行するメリットを用意します。だから安心して、今回の長期プランに入ってもらえたら」と回答しました。
当面はMVNOとMNOのサービスが併存するのか、という確認の質問には「ドコモの回線を借りながらMVNOも継続していきます。最終的には、契約中のお客さまにどちらかの回線を選んでいただく形にしたい。詳細はタイミングがきたときにご案内します」と大尾嘉氏。
来年(2019年)の秋には、早くもMNOとMVNOの両事業を展開することになりますが、この棲み分けについては「いまはお答えできないところがあります」との回答にとどまりました。
同社は、MNO事業を開始するまでに契約件数を300万人まで拡大したいと説明しています。新たなサービス施策は、このための布石なのでしょうか。この質問には「このタイミングで料金プランをリニューアルしたのは、利用者の声を反映させた結果に過ぎません」(大尾嘉氏)。契約件数300万人という数字について「野心的な目標」としつつも、「最強プランのスーパーホーダイなら実現できるのでは。がんばります」と意気込んでいました。