LCCのジェットスター・ジャパンとCAEは6月13日(カナダ東部標準時)、今後日本での需要増が見込まれるエアバスA320の運航乗務員訓練に対応するべく、6年間にわたる運航乗務員訓練に関する提携契約を新たに締結したと発表した。CAEは、羽田空港内にある同社の日本拠点「JAL CAE FLIGHTTRAINING(JCFT)」の訓練センターにおいて、同社製のA320フルフライト・シミュレーターを用い、2018年夏に運航乗務員の訓練開始を予定している。
ジェットスターグループとCAEのパートナーシップは15年以上にわたり、CAEはオーストラリア、ベトナム、日本を含むアジア太平洋地域において、訓練候補生、運航乗務員の訓練ならびに乗務員のリソーシングなどのサービスをグループの航空会社に提供している。
ジェットスター・ジャパンはこれまで、クアラルンプール(マレーシア)やソウル(韓国)にあるCAEの訓練施設で運航乗務員の訓練を実施してきたが、今回の契約により2012年の就航から初めて、羽田空港内にあるJALとCAEの合弁によるJCFTで運航乗務員の訓練を実施することになる。また、ジェットスター・ジャパンは、CAE Rise訓練システムを導入するローンチカスタマーとなる。
CAE Riseは航空会社の運航基準(SOP: Standard Operation Procedures)に準拠し、標準化された訓練を提供するための最新型訓練システムとなる。同システムは、操縦教官が訓練中に得られるデータをリアルタイムで活用することで、運航乗務員の技量を客観的に評価できるようにし、ジェットスター・ジャパンの訓練プログラムを強化していく。
ジェットスター・ジャパンの代表取締役社長の片岡優氏は、「ジェットスター・ジャパンでは、運航乗務員に求める高い技量水準を常に維持・向上することを重視しており、当社の運航乗務員を大変誇りに思います。このたびCAEとの提携を拡大し、将来的に当社のニーズに合わせて構築される、品質が高く実績のある訓練を日本国内で受けることが可能となり、嬉しく思います。当社の運航乗務員が業界トップクラスの技量水準を維持できるよう、今後の事業展開を見据えた長期的視点からの訓練プログラムをさらに強化していく所存です」とコメントしている。
また、CAEの民間航空訓練ソリューション・グループ社長のニック・レオ氏は、「アジア太平洋地域のパイロットに対する需要が高まっています。ジェットスター・ジャパンの訓練需要の増加を下支えすることはCAEにとって名誉なことです。最新の技術革新を取り入れたこの訓練が可能となる新規契約締結は、CAEが提携する航空会社に最も包括的な訓練のソリューションを提供することができることの証明です」とコメントしている。