シトロエン・レーシングは、6月7〜10日にかけて開催された世界ラリー選手権(WRC)第7戦イタリアに参戦し、5位と6位で完走を果たした。シトロエン・トタル・アブダビ・ワールドラリーチームのクルーたちは、リスクを避けた信頼性の高い走りで着実なフィニッシュを達成した。
8日の金曜日は、この時期には予想外の豪雨に見舞われ、ラリーは一気に複雑な状況に。グラベルのウェットコンディションで走行順が後ろになると、先行車が走行を重ねるたびに路面状況が悪化し、後方スタートのアドバンテージが得られることはない。クレイグ・ブリーン/スコット・マーティン組は8番スタート、マッズ・オストベルグ/トルステイン・エリクセン組は10番スタートだったが、特にオストベルグはSS2番手タイムを2度マークする好走を見せ、上位陣に立ち向かっていった。
ところが二人は多くのマイナーアクシデントに見舞われてしまい、金曜日のSSを終えた段階でオストベルグが5番手、ブリーンが7番手につけるのが精いっぱいとなった。
9日の土曜日には天候が回復し路面が乾き始めるが、二人は無理せずに順位をキープすることに専念し、手堅いアプローチで臨んだ。走行順で不利を強いられるなか、最終的に順位を上げることはできなかったが、オストベルグは総合5位でフィニッシュ。6位に入ったスウェーデン、ポルトガルでの記録を更新して、C3 WRCでの自己ベストリザルトを収めた。
一方、クレイグ・ブリーンは、ライバルと比べて圧倒的に経験の少ないイベントでの理解を深めながら、総合6位と大健闘。2台そろって確実な走りを見せ、今後につながるリザルトでラリーを終えた。