ナビタイムジャパンは、6月2日の東京外環自動車道千葉区間(三郷南IC~高谷JCT間)開通にともなう「首都圏の交通流」への影響分析結果を発表した。都心を経由した通行量が減少し、開通区間の並行一般道では所要時間が最大20分短縮したという。
東京外環自動車道(外環道)千葉区間の開通により首都圏を走行する自動車に与えた影響について、「広域」「狭域」の観点から、道路プロファイラーを用いて開通前後の各平日3日間の比較を実施。ナビタイムジャパンが提供するカーナビアプリ(カーナビタイム、トラックカーナビほか)から取得した自動車の走行実績データを分析に活用している。
広域分析では、東関東自動車道の湾岸市川IC付近における東京・埼玉方面への流出ルートを可視化して比較。開通前は東北道方面へ向かう車両が首都高中央環状線を経由していたが、開通後はこのルートの通行量が13%減少している。外環道千葉区間の開通により、千葉方面から東北道方面に向かう車両が都心部への流入を回避し、外環道の新規開通区間を経由したルートを選択した傾向が見受けられると分析している。
狭域分析では「千葉県道1号 松戸市川線(県道1号線)」を含むエリアにおける平日朝(7~10時)の旅行速度および当該道路の所要時間を可視化して比較。開通前は県道1号線外環道松戸IC付近から国道14号(市川広小路交差点)にかけて、速度低下が連続して発生していたが、開通後は同区間の速度が回復傾向にあるという。
ピーク時(6~9時)の所要時間に着目すると、開通前は同区間の通過に最大30分程度を要していたが、開通後は最大10分程度となり、約20分短縮されている。これらの結果から、外環道千葉区間の開通によって通過交通が外環道に転換し、周辺一般道における交通流の改善傾向が見受けられると分析している。