NASやネットワーク機器を提供するSynologyは、台湾・台北市で開催中のコンピュータ関連見本市「COMPUTEX TAIPEI 2018」に合わせて、台北市内の百貨店でイベントを開催していました。新製品として展示されていたのは、メッシュネットワークに対応する無線LANルーターの「MR2200ac」です。
複数の無線LANルーター同市を接続して、カバーエリアを拡大したり、死角のないエリアを可能にするのがメッシュネットワークです。最近の無線LANルーターではすっかり流行の機能になっており、直近ではグーグルの「Google WiFi」が国内でも発表されて話題になりました。
ルーターでも定評のある同社が、初めてこのメッシュに対応させたのがこの「MR2200ac」です。スペックとしては、IEEE802.11a/b/g/n/acに対応。5GHz帯×2、2.4GHz帯×1のトライバンド対応で、安定性が高く高速な5GHz帯をルーター同士の接続とスマートフォンなどの子機端末に利用できるのがメリットです。ギガビットイーサネット×2も搭載しています。
複数のMR2200acをメッシュネットワークとして登録するのも簡単に行えるほか、搭載したルーター用OSの「SRM」(Synology Router Manager)によって、さまざまな機能を提供します。すでに同社には「RT2600ac」のようなルーター製品があり、SRMを搭載しています。これによって、ルーターに接続しているデバイスを管理できます。
SRMでは、ユーザープロファイルを作成して、それぞれのユーザーが使う端末を登録できます。ユーザープロファイルで、複数端末があっても管理が容易になりますし、ユーザーごとに設定の変更が可能です。
ペアレンタルコントロールでも、単純に「何時から何時」という時間の区切りだけでなく、「1日何時間まで」、「宿題の時間はWikipediaだけ」といった制限を設けることもできます。ユーザープロファイルでそれぞれに割り当てた端末全体に適用されるのも便利でしょう。
発売は2018年第3四半期の予定で、国内での販売も行うといいます。価格は上位モデルの「RT2600ac」と比べれば低価格で、競合製品並みになるとのこと。なお、このRT2600acは、SRMのバージョンアップでメッシュに対応するそうで、RT2600acユーザーであれば、MR2200acを追加することでメッシュ化が可能です。
説明員に「日本の家は小さいけどメッシュって意味あります?」と聞いたところ、「そういう場合でも、最初は1台買って、大きな家に引っ越したら買いまして使える」という返答でした。
もう1つの新製品としては、「持ち歩きもできる」(同社談)コンパクトなNAS「DiskStation DS619slim」です。CPUとしてCeleron J3355 2.0GHz、メモリはDDR3L 2GB(最大8GB)、ホットスワップ対応の2.5インチベイ×6、2つのギガビットイーサネットポートをそれぞれ搭載します。
ドライブが入っていない状態だと片手で持てるほどのコンパクトで軽量なNASで、2.5インチベイなのでHDDに加えて、SSDを搭載することも可能です。コンパクトで場所を取らないことに加え、持ち出して使うことも比較的簡単にできます。
ビデオグラファーやフォトグラファーのような、大容量データを扱い、データが重要な職業などにとって有効かもしれません。発売は夏から第3四半期にかけて、価格は未定とのことです。