台湾・台北市で開催されたCOMPUTEX TAIPEI 2018。今回のような海外出張の場合、1週間程度をホテルなどで過ごすことになり、日本から持参したノートPCで仕事をすることになります。そんな時、ノートPC1台よりも、外部ディスプレイを使ってマルチディスプレイで仕事をした方が効率的です。
しかし、あまり大きなディスプレイを持ち運ぶのは大変だし……と二の足を踏むことも多く、ノートPC1台ですます出張も多いものです。同業者の中には、24インチクラスの据え置きディスプレイを持ち運ぶ猛者もいますが、私は極力荷物を軽くしたいもの……。
そんな要望に応える製品を、台湾ASUSTeK Computerが会場で展示していました。
ASUS初モバイルOLEDディスプレイがさらに軽量化
展示されていたのは「ASUS ProArt PQ22UC」。ASUSが初めて手がけるOLEDディスプレイで、21.6型の4K HDRディスプレイです。これは、すでに今年初頭のCES 2018で発表されたモデル。デジタルシネマの色空間であるDCI-P3比で99%の色再現性を誇り、応答時間は0.1ms、色深度は10bit。インタフェースはUSB Type-Cポート×2、micro HDMI×1を搭載します。
「世界初のポータブル4K HDR OLEDディスプレイ」とされており、持ち運びを前提としたモバイルディスプレイです。スペックを見て分かるとおり、特にプロフェッショナルの動画ユーザーをターゲットにしています。基本的に、外出先で高解像度、大画面でより正確な色で映像や写真を確認したいといった用途をターゲットにしているようです。
とにかく特徴は、その軽さ。持ち上げた瞬間、驚くほどの軽さです。スタンドは簡単に取り外せて折りたたんで収納できます。ディスプレイカバーもあり、本体のみを持ち出すことも可能です。
その重さは実に「1.5kg以下」。実はCES 2018の発表時点から、さらに軽くなっています。しかも、まだ軽量化を図っている途中だそうで、「ターゲットは1kg以下」とブースの説明員。思わず「本当に?」と聞き返してしまいました。
価格は「高いよ?」な4000ドル! 年末に発売
プロユーザーをターゲットにしているとは言え、私も取材で多くの写真を撮って補正をします。高解像度のディスプレイは仕事上の必要性も高く、是非欲しいところです。ところが説明員は首を振ります。
「君の使い方なら、別のモバイルディスプレイがいい。"高いよ"」と、なぜか「高いよ」の部分だけ日本語で答えてくれた彼に、目標価格を尋ねてみました。
「ターゲットは4000米ドル」。……日本円にして約44万円、確かに、ちょっと手が出せないレベルの価格のようです。ちなみに発売は2018年の年末を予定しているそうです。
バッテリ搭載の薄型ディスプレイ、タッチ対応も
その彼が勧めてくれたモバイルディスプレイが「ASUS ZenScreen Go」シリーズです。通常モデルとタッチ対応の「ASUS ZenScreen Go - Touch」の2製品が用意されています。
こちらもポータブルタイプのUSBディスプレイで、15.6型フルHD IPS液晶を採用。USB Type-Cポートを搭載し、PCやAndroid端末を接続して外部ディスプレイとして利用することができます。
最新モデルでは、従来に比べ、バッテリーを内蔵したことが特徴です。バッテリーを搭載しながら、900gを目標に開発を続けているそうです。厚さ8mmという薄さながらバッテリー駆動時間は4時間。Touchモデルも同等で、いずれも300米ドル程度(約33,000円)を予定しているとのことです。発売は、ノーマルモデルが2018年第3四半期、Touchモデルが2018年第4四半期を予定しています。
確かに、この値段なら余裕を持って購入できるレベルです。スマートフォン接続時にはバッテリーを搭載するのも便利でしょう。接続するPCや、スマートフォンが(当然)タッチ対応なら、外部ディスプレイもタッチ可能な方が便利なので、使用機材によって選択すればよさそうです。
より高解像度で大型、OLEDという特徴のPQ22UCは魅力的ですが、コストパフォーマンスで考えるとZenScreen Goも十分魅力的かつ実用的。もちろん、必要なユーザーにとっては得がたい特徴を備えたPQ22UCも選択肢として入るでしょう。発売までしばらく時間がありますが、製品の登場を楽しみに待ちたいところです。