キズナアイが動画で日本文化をレクチャー

開設されたキャンペーンサイト「Come to JAPAN」では、「日本の魅力を学べる動画/記事」「日本文化に関する4択クイズ」「Instagram 連動写真投稿コンテンツ」などが公開されている。なかでも“バーチャルYouTuberらしさ”を感じられるのは、やはり動画のコンテンツだろう。

「今回は“日本食” “日本の技術”など、テーマごとに5本の動画を制作しました。日本のことを何も知らない外国人でもわかりやすいように、キズナアイが日本の魅力を親切に紹介してくれます。なかでも“サブカルチャー”をテーマにした動画は、制作委託業者であるトウキョウ・オタク・モード(TOM)社の得意分野でもあり、日本人でもアニメ通以外にはあまり知られていない情報が多いのではないでしょうか。必見ですよ」

岩田氏が太鼓判を押す動画では、サブカルの聖地「秋葉原」をはじめ、池袋、中野、原宿などについて紹介されていた。キズナアイが高めのテンションで「箱根の逃げちゃダメなやつ」「What's your name?」といった表現をしている様子は、情報通でも楽しめるだろう。

そのほかの動画も、「日本全国に2万4000軒以上のすし屋があること」「新幹線が東京駅を1日500本以上発車していること」など、日本人でも知らないようなトリビアが織り交ぜられており、思わず「へぇ」と感心してしまうようなものばかりだ。

キズナアイの動画を見るために140カ国からアクセスが集中

キャンペーンが実施されたのは、アメリカ東部の標準時間で2018年3月1日から3月25日までの期間。わずか1カ月弱であるが、キズナアイは日本の魅力を世界に伝え、アンバサダーとしての役割を全うできたのだろうか。

「動画の再生回数は10万回を突破し、20問中16問以上の正解で応募できるアメリカ居住者を対象にした日本旅行検定クイズの懸賞キャンペーンでは、6484名の応募がありました。特に圧巻だったのは、特設サイトへ世界140カ国からアクセスされていたことですね。この結果からも、本来の対象であるアメリカ市場のみならず、世界的に日本の魅力をアピールできたといえるのではないでしょうか」

  • 記事の解説をするキズナアイ

    記事の解説をするキズナアイ

さらに、今回は特設サイト以外で、業務委託先であるTOM社のFacebookページにも動画を投稿。そこでは、280万以上のリーチに成功し、動画再生回数は56万回以上を記録、「いいね!」やシェア、コメントなどのリアクションは2万を超えたという。

「改めて、SNSの拡散力と国境を越えて愛されるアニメの魅力を認識させられましたね。日本発のクールジャパンコンテンツを使って、Webプロモーションができたことはよかったと思います。今後の訪日旅行増加にも期待できるのではないでしょうか」

なお、アメリカではあまり一般的でないというバーチャルYouTuberだが、今回のJNTOニューヨーク事務所のキャンペーンは、外国人が好むユニークさがあることから「Travel Weekly」「NICKI SWIFT」といった英語メディアでも取り上げられたという。

  • JNTOキャンペーンが紹介されたNICKI SWIFTの記事

    JNTOキャンペーンが紹介されたNICKI SWIFTの記事

みごと日本の魅力を発信したキズナアイ。その活躍は海外メディアを通じて世界に知れ渡った。日本の「キズナアイ」から世界の「Kizuna AI」へ。バーチャルYouTuberの存在感は強まるばかりだ。