2018年5月11日~13日、中国の深センに行ってきました。
筆者は北京や香港には行ったことがありますが、深センは初めてです。渡航理由は、「中国の深センが凄い!」「ソフトウェアがシリコンバレーなら、ハードウェアは深セン」「深センはイノベーションの都」などなどの話を、見たり聞いたりすることが増えたから。
「一度は現地に行って深センを体験したい」と思っていたところ、何度か深センに行ったことのある友人が旅行するタイミングで声をかけてくれ、便乗しました。
この記事では、深センに行ったことがない人、名前はちょこちょこ聞くけど深センのことをよく知らない人に向けて、現地で体験したことを中心にご紹介していきます。
深センってどんな場所?
そもそも皆さんは、中国の深センと聞いてどういう場所や街をイメージしますか?
今ご紹介した写真はどれも深センで撮ったものです。深センは、ぼろぼろのマンションや古めかしい路地裏と、秋葉原のような電気街、六本木のような繁華街が共存する場所でした。控えめに言って都会、人によっては大都会と感じると思います。
都会と言っても、信じられない人もいるかも知れません。ですが、深センの人口は東京を超える1,400万人と言われており、北京市、上海市、広州市と並ぶ中国4大都市でもあります。
正直、筆者も行くまで「凄いっていっても、秋葉原をでっかくした感じでしょ?」と思っていたのですが、規模が想像以上でした。そして、何より驚いたのが拡張速度。どこに行っても、古いビルの取り壊しや、新しいビルをつくっている様子が見られて、勢いを感じずにはいられませんでした。建設ラッシュというのは、こういうことを言うんだと肌で体感できます。
街なかでのほとんどの買い物は「QRコード決済」
深センでの買い物は、Alibabaのオンライン決済「支付宝(Alipay)」か、チャットアプリの決済「微信支付(WeChat Pay)」を使ったQRコード決済が基本です。旅行者以外で現金やカードを使った支払いをしている人は見かけませんでした。街なかのいたるところに、QRコードが貼ってあり、デパートでの買い物、コンビニ、ファーストフード、路上のお店、さらにはガチャガチャやクレーンゲームまですべて、QRコード決済で支払いが可能です。
QRコード決済は、お店で印刷されたQRコードを読み取って支払いを行うか、自身のスマートフォン上に表示したQRコードをお店の人が読み取るかで支払いが行われます。正直、お財布携帯やnanakoのような電子マネーのほうが支払い自体は速いかも知れません。ですが、「支払いはnanakoで」など支払い方法を伝える必要もなく、ただQRコードを読み取るか見せればいいうえに、個人間送金も簡単に行えるので割り勘もラクそうでした。何より財布を持たないで良いですしね。
また、お店からしても、レジも現金も最低限(もしくはいらない)でいいですし、 最低限スマートフォンとシールや紙などでQRコードを貼るだけで決済ができるので、防犯上のメリットもあって双方に嬉しい状態だと思います。
我々がこのQRコード決済を体験するには、WeChat Pay、Alipayの登録をして、事前にお金をチャージしておく必要があります。ただ、これには基本的には中国国内の銀行口座が必要です。日本のクレジットカードでも問題ないとのことでしたが、WeChat Payは対応外になっており、Alipayは登録はできましたが現地でチャージが無理だったため、筆者は残念ながら友人の決済を見ているだけにとどまりました。
ちなみに、現金も日本のカードも使えます。筆者が確認した範囲では、ホテルに、デパートやショッピングモール、ファストフード店、コンビニやキオスクなどでは問題なく使えました。ただ、QRコードのほうが便利なのは間違いなさそうです。
「ちょっとそこまで」を気軽にするシェアサイクル
深センに行くと、目につくのが自転車です。とにかく乗っている人が多く、路上に停めてある自転車も半端な数ではありません。そこかしこに置かれた大量の自転車は、ほとんどがシェアサイクルです。QRコードで簡単に乗ることができ、目的地についたらそこら辺に乗り捨ててOK。これがほんとにラクそうでした(筆者はQRコード決済が無理なので体験できず)。
自転車ほど多くはないですが、電動バイクが多かったのも印象的です。また、深センではEV化が進んでおり、自家用車をはじめ、タクシーやバスもEVでした。ココらへんは日本より進んでいると思います。
セグウェイで移動している警官がいるのも驚きでした。
ひとりカラオケの進化系? 小さなカラオケBOX
深センのデパートやショッピングモールを歩いていて、よく目にしたのがちっちゃなカラオケBOXです。日本だと自動販売機が置いてあるような隅っこなどを中心に、各階に何台も配置されていました。
どの場所でも、カラオケBOXの中で歌っている人を見かけたので、筆者も体験してみることに。
中に入ると、1曲だけ歌う(100円程度)、もしくは15分、30分などの時間が選べました。
歌うときはヘッドフォンから音楽や自分の声が聞こえてくるので、BOXの外に音が漏れることはありません。マイクとヘッドフォンは2つ用意されていました。歌いながら録音も可能で、録音された音源はWeChat経由ですぐに共有もされます。
受付も必要なく、サクッと入って好きな曲をサクッと歌うのはストレス解消や、ちょっとした時間を潰すのに最適な感じです。また、QRコード決済(友人に払ってもらいました)なので、現金回収の必要がないところもビジネスやセキュリティの観点からみても導入しやすそうなので、この形態はひとりカラオケのより手軽版として、日本でも流行るのではと思いました(QRコード決済部分どうするかはありますが)。
世界最大の電気街「華強北」の電子部品は圧倒的
最後にご紹介するのは、世界最大の電気街「華強北」です。
華強北のどこかしらのビルに入ってみると、写真のような光景が飛び込んできます。どのビルに入っても、6畳くらいの広さのお店が所狭しとずらーっと並んでおり、大小様々な電子パーツや製品が販売されていました。
1日見て回ってもとても全容を把握できないレベルで店舗がありますが、何時間か見て回ると、なんとなくの流行りなどは不思議と掴めるのが印象的でした。
まとめ
ここまで、深センに行って体験したことを中心にご紹介しました。
正直、まだ1度目の深センなのでよくわかっていないことも多いです。気になったのは、「QRコード決済やシェアサイクルなどなどが生活に浸透することで、現地の人の生活はラクになっているかどうか?」。ここは、次回深センに行ったときに聞いてみようと思います。
深センは、日本では体験できない勢いや面白さを感じられること間違いなしです。香港から2時間もかからないので、香港に行くことがあればふらっと寄ってみるのも良いと思います。ちなみに、治安は良いのでご安心を。ただ、中国はグーグル系サービスやFacebookなどが使えないので、深センに行かれる際はSIMフリー端末に香港系のSIMを刺すのがおすすめです。
著者プロフィール: 砂流恵介(すながれけいすけ)
1983年、広島県生まれ。秋葉原でPCショップ販売員の経験を得て、日本エイサーへ入社。宣伝・広報を担当する。2013年12月退社。 手段を選ばないゲリラ的なPRを得意とする。現在は、BtoC企業を中心にPR業務やコンサルタント、WEBメディアでライター、ゲーム実況配信など、多方面で活躍している。