フィットビット・ジャパンは6月5日、スマートウオッチの新製品「Fitbit Versa」(以下、Versa)と、子ども向けのアクティビティトラッカー「Fitbit Ace」(以下、Ace)を発表しました。Versaの参考価格(税込)は28,490円、スペシャルエディションの参考価格は31,320円、Aceの参考価格は11,340円で、いずれも6月15日から販売開始されます。

  • Fitbit Versa発表会

    Fitbit Versa

  • Fitbit Versa発表会

    手前はベルト素材が異なるFitbit Versaスペシャルエディションで、奥が通常版

  • Fitbit Versa発表会

    オプションで販売されるベルト。手前中央はステッチのある革ベルト。奥は金属製ですが、左の2つは日本市場に投入されない予定とのこと(市販の22mm幅腕時計ベルトが代用可能)

  • Fitbit Versa発表会

    Fitbit 副社長兼アジア太平洋地域事業部長のスティーブ・モーリー氏。いわく「Fitbitは、GFKの統計でNo.1の製品出荷を誇るとともに、ウェルネス&ヘルスケアの観点で利用者をサポートする製品を出荷している」

  • Fitbit Versa発表会

    フィットビットが創業以来追及しているのがウェルネス&ヘルス

新製品を紹介したのは、プロダクトマーケティングVPのメラニー・チェイス氏。日本は重要な市場と考え、半年前にも来日してユーザーの声を聞いたそうです。

  • Fitbit Versa発表会

    Fitbit プロダクトマーケティングバイスプレジデントのメラニー・チェイス氏

スマートウオッチに対して、Fitbitはヘルス&ウェルネスの概念を加え、美しくビジネス用でも使えるデザインにしました。航空宇宙産業で使われるプレミアムメタルを採用して耐久性を高め、カラーリングしだいて男性にも女性にもマッチする製品に仕上げています。

Versaの内蔵バッテリーは4日以上持ち、通常のアクティビティトラッカーが備える運動記録や睡眠記録に加え、女性の体調変化を記録する機能を搭載しました。女性ユーザーにかなり配慮した製品といえるでしょう。

  • Fitbit Versa発表会

    新製品のVersaと、発売済みのFitbit Ionicは、女性の体調変化を記録する機能を追加。すでに240万ユーザーがこの機能を使っているそうです

  • Fitbit Versa発表会

    フェイスデザインも変更可能。すでに900以上のデザインが登録されており、プログラムの知識があれば自作も可能です

  • Fitbit Versa発表会

    アプリも登録可能。ここではサードパーティー製の代表的なものをリストアップしてあります

もう一つ、家族の健康をサポートする製品としてAceを紹介。8歳以上を対象としており、WHOが推奨する一日30分以上の運動と9~12時間の睡眠をサポートする製品です。

通常のFitbit製品と大きく異なるのは、親のFitbit IDに対してファミリーアカウントで追加することです。これによって、設定変更に保護者同意を必要となるほか、子どものプライバシーを守ることにも配慮しています。

  • Fitbit Versa発表会

    Fitbit Aceは子どものためのアクティビティトラッカー。プライバシーにも配慮された作り

ゲストの専門家が睡眠と生理記録についてコメント

発表会のゲストは、産婦人科医の高尾美穂氏と、睡眠コンサルタントの友野なお氏。友野氏は、女性のほうが睡眠不足による心理的な負担が長引く傾向にあり、されに日本人は睡眠不足であると語ります。友野氏がまとめた資料によると、OECD 26カ国のうち、日本は韓国に次いで2位の睡眠不足(とはいえその差は2分!)な国で、特に40~50代の女性の寝不足が問題だといいます。

  • Fitbit Versa発表会

    日本産科婦人科学会専門医、医学博士、日本スポーツ協会公認スポーツドクターでイーク表参道副院長の高尾美穂氏(左)と、株式会社SEA Trinity 代表取締役 睡眠コンサルタント/産業心理カウンセラー 日本睡眠学会正会員、日本睡眠環境学会正会員の友野なお氏(右)

  • Fitbit Versa発表会

    友野なお氏がまとめた資料。OECD 26カ国の中では、韓国、日本、ノルウェイの平均睡眠時間が少ないことがわかります

高野氏は、4年ぐらい前から8時間睡眠を行うべく睡眠記録をつけているそうですが、これまで使ってきた機器は「これから寝ます」とボタンを押してログを取り始めるため、実際の睡眠時間よりも長く記録されます。

今回のVersaを使うと、本当に寝始めたタイミングからシビアに自動記録するため、本当の睡眠記録できる点がよいと、使用感を語りました。「婦人科に行けない女性でも、自分自身の情報が得られるVersaをおすすめします。そこが第一歩で、次は基礎体温を記録することです」(高野氏)と、段階を踏んだ記録をすすめていました。

友野氏は質問に答える形で「本当に睡眠状態を把握するためには、脳波計を取り付けたりと手間がかかりますが、Versaなら手首に付けているだけで自動的に睡眠状態を記録できます」と答えていました。また、メラニー氏は「ヘルスケアには有用性の確認と臨床実験が重要ですが、Fitbitは(研究者に協力して)多くの文献を出しており、東京大学とも睡眠医学に関する共同研究を行っています」と補足ました。