Computex初日となる6月5日、QualcommはPress Conferenceを開催し、Snapdragon 850を発表した(Photo01)。
QualcommはACPC(Always on, always Connected PC)のマーケットに向けてSnapdragonベースのソリューションを提供しており(Photo02)、2017年のComputexではSnapdragon 835ベースのシステムで、Windows 10を動作させるデモを発表したりしている。
2018年は実際に製品が投入され(Photo03)、さまざまなパートナーとエコシステムを構築し(Photo04)ている。ただ、これに続きSnapdragon 845ベースの製品が2018年第2四半期中に投入といった話が水面下では流れていたのだが、それを飛び越えてWindows 10専用のSoCとしてSnapdragon 850が発表された(Photo05)。
具体的な構成(動作周波数とか)は発表されていないが、性能の指標としては30%の性能向上と最大25時間のバッテリー寿命、1.2GbpsのLTE速度、3倍のAI Performanceと説明されている(Photo06)。
また今回、Photo03の3社に加えて、デバイスパートナーとして新しくSamsung Electronicsもメンバーに加わることが明らかにされており、2018年末には4社からSnapdragon 850搭載のACPCが発表されると思われる。ちなみに会場ではこのSnapdragon 850を搭載したリファレンス機でWindwos 10が動作している様子も示された(Photo07)
Snapdragon 850はSamsungの10LPPを採用。その次は?
ところで本題とちょっと関係ないのだが、Intelを皮肉ったのがPhoto08。ノートPCがIntelの、GPUカードはNVIDIAの、それぞれの製造プロセスノードを示したものだが、Intelが実質的に2014年から14nmで足踏みをしているのに対し、Snapdragon 850はSamsungの10LPP(10nm Gen2)を採用しており、すでにIntelを超える微細化が進んでいるとしている。
もっともそのQualcommも、Samsungの7nmを利用することを発表してはいるものの、こちらはEUVなので量産開始までにはまだ時間が掛かる。
Samsungは、その手前となる8nm(10nmプロセスの改良版で配線ピッチを狭めたもの)の量産準備を完了しているとされており、これに移行するのか、それとも7nm EUVまで10nm世代で足踏みするのかはちょっと興味ある部分だ。