PFUと東プレは6月5日、キーボードビジネスの新たな協業と「REALFORCE R2 テンキーレス」のPFUダイレクト限定モデルを発表した。日本語配列が6月5日から販売、英語配列は7月3日から予約販売開始。価格はいずれも税別28,500円。ここでは発表会の様子を報告する。

  • REALFORCE R2 テンキーレス「PFU Limited Edition」日本語配列のブラック(左)とアイボリー(右)

冒頭、挨拶に立ったPFU 執行役員常務の宮内康範氏は、「キーボードは人と電子機器を繋ぐインタフェースであり、人とPCに寄り添うものという信念で作ってきました」と語った。

PFUが高級キーボードの代名詞「Happy Hacking Keyboard(以下、HHKB)」を発売して20年。その間、PCとキーボードを取り巻く環境は大きく変わったが、PCとキーボードの関係は微塵も変わっていない。

PCは定期的にリプレースしても、キーボードは愛用のものを使い続ける、HHKBはそんなユーザーに愛され続けてきた。これからも当分はその関係が続くだろう。

  • 会場にはHHKBの20年の歩みを示す歴代モデルが展示されていた

一方、東プレは静電容量無接点方式を採用するキーボード「REALFORCE R2」シリーズなどのラインナップを持つが、PFUとはHHKBの開発で長く協業関係にあった。

今回改めて、「REALFORCE R2」のPFUダイレクト限定モデルを発売し、同時にPFUがREALFORCE R2シリーズの中国市場での独占販売権を取得することで合意したという。

  • 東プレ初の光る静電容量無接点方式キーボードとして注目を集めた2016年発売の「REALFORCE RGB」

PFUダイレクト限定販売となる「REALFORCE R2 PFU Limited Edition」は、テンキーレス仕様となり、日本語配列と英語配列のそれぞれでブラックとアイボリーを用意。計4モデルのラインナップだ。カラーとキー配列以外の仕様は共通で、本体サイズはW369×D142×H30mm、重量は約1.1kg、ケーブル長は約1.7mとなる。

静電容量無接点方式、静音、高いシャーシ剛性といった「REALFORCE R2」の持つあらゆる特徴的な技術に加え、HHKBユーザーから評価の高い押下圧45gを採用。静音モデルである「HHKB Professional Type-S」と同等の静音仕様も実現した。

  • REALFORCE R2「PFU Limited Edition」の概要

キー1つひとつにおけるキースイッチのオン位置を調整できる「APC(アクチュエーションポイントチェンジャー)」機能も搭載。オン位置は1.5mm、2.2mm、3mmの3段階で一括調整でき、キーごとの調整は専用ソフトを導入して行う。また、APC機能の効果を高めるキースペーサーは2mm厚と3mm厚の2種類を同梱する。

通常のオン位置は2.2mm。1.5mmは早打ちの人やノートPCのキーを好むユーザーにオススメのモードだ。設定すると浅いストロークでもキー入力できる。ちゃんとキーを押し込まなかったために入力が飛ぶことがなくなり、25%速い入力が可能になるという。

一方3.0mmはキーを強く押す人向けだ。より深くしっかりしたストロークのみ認識するため、目的のキーと一緒に隣のキーを押してしまうといった入力ミスを減らせる。

  • APC機能でキーがオンになる位置を調整できる

専用アプリはダウンロードサイトから導入。オン位置の調整のほか、CapsLockとCtrlキーの入れ替え、インジケーターLEDの設定、キーボード設定の保存と読み込み、ファームウェアのアップデート、出荷時設定のリストアなど多彩な機能を備える。今回のキーボードはゲーミング仕様ではないが、プレイするゲームごとに組んだマクロを保存したり読み込んだり……といった使い方も可能だ。

  • 専用アプリでキー1つひとつのオン位置をカスタマイズできる

  • カーボン調のキースペーサーは、一度キートップをすべてはがして下に敷いて利用する

  • キースペーサーを利用するには、付属のキートップはがしを使うと便利

「キーのオン位置が調整できるAPC機能は、東プレの静電容量無接点方式ならではの機能です。原理的には3段階に限らず、無段階調整も可能ですが、キーストロークの好みは感覚的なものなので、仮に0.1mm単位で40段階あったとしてもかえって使いづらくなると判断しました」と、東プレ 取締役 山本豊氏は話す。

  • APC機能を支える独自の静電容量無接点方式のキー構造

このほか、右上にカーボン調デザインの「PFU Limited Edition」専用LEDプレートを搭載した。NumLK、CapsLK、ScrollLK、KeyLkの状態をLEDで表示する。

  • 専用LEDプレート

なお、PFUダイレクトで本製品を購入したユーザーには、もれなくウォールナット色の「RFウッドパームレスト」がプレゼントされる。税別4,800円で販売している商品だ。期間は2018年6月5日~同年6月25日(24時)。英語配列キーボード発売時にも同様のプレゼントが提供される予定だ。

会場では日本語配列と英語配列のブラックとアイボリーの4モデルが複数展示され、キーストロークを自由に試打できるようになっていた。HHKBを愛用しているメディア関係者も少なくないようで、中には個人的に買い替えを検討して真剣に試し打ちするユーザーもいたようだ。

  • 食い入るように試し打つ、マイナビニュース・デジタル編集長。タッチタイピングはできたはず

メディアの中に本気で欲しがる人間がいるように、本製品はキー入力を生業(なりわい)にしているユーザーには注目度の高いアイテムと言えるだろう。あえて気になる点を上げるとすれば、“PFUダイレクト限定”と銘打つだけあって、購入前に量販店の店頭などで試せないことだ。定評あるREALFORCE R2にHHKBの技術まで盛り込まれた“最高峰のキーボード”とはいえ、「キーボードに3万円」を「自分の目と指で確かめないうちに投下する」のは、やはり勇気がいる。

そんなユーザーに注目してほしいのが、PFUが主催する「PFU IT Fair 2018」だ。6月8日に東京のホテル雅叙園東京、7月6日に大阪のホテル阪急インターナショナルで開催する。PFUや関係各社の製品やサービスが展示されるので、本製品が気になるユーザーは足を運んでみてはいかがだろうか。

  • 日本語キーボード ブラック

  • 日本語キーボード アイボリー

  • 英語キーボード ブラック

  • 英語キーボード アイボリー