航空券だけでなく、さまざまなポイントにも交換可能で便利な「マイル」。飛行機の搭乗に加え、クレジットカードを上手に利用することで、ためることができます。今回はマイル初心者に向けて、マイルのため方・使い方、カードの選び方をご紹介します。
そもそも、マイルって何?
マイルとは、飛行機の搭乗などでたまる航空会社のポイントを指します。「スターアライアンス」「ワンワールド」「スカイチーム」という3つの航空連合がそれぞれ独自のマイレージプログラムを持っていて、加盟する航空連合の中で、マイルをためたり使ったりできる仕組みとなっています。
ためたマイルは、特典航空券(無料で搭乗できる航空券)のほか、電子マネー、各種ポイントをはじめとした多彩な特典に交換できます。
効率的にマイルをためるためには、利用頻度の高い航空連合に加盟している航空会社のマイルをためるのがポイント。日本には「スカイチーム」の加盟航空会社がないため、多くの方が「スターアライアンス」に加盟しているANA、「ワンワールド」に加盟しているJALのいずれかでマイルをためています。
そのためこの記事でも、ANAとJALでためるマイルについて詳しく解説していきます。
多彩なマイルの使い道
ためたマイルの使い道ですが、やはりオススメは特典航空券への交換です。
注意したいのは、同じ飛行区間でも、必要なマイル数が会社や搭乗時期によって異なること。ローシーズンでは必要マイル数が少なく、ハイシーズンでは多くなる傾向にあるため、時期を選んで交換すると、よりお得にマイルが活用できます。
また特典航空券のほかにも、マイルをためることによってさまざまな特典の恩恵を受けることができます。
マイルをためることで受けられる特典の例
・飛行機の座席をアップグレード
・提携ポイントへの交換(ANA: 10,000マイル→楽天スーパーポイント10,000ポイントやTポイント10,000ポイント/JAL: 10,000マイル→Amazonギフト券10,000円分やファミリマート専用プリペイドカード10,500円相当)
・電子マネーへの交換(ANA: 10,000マイル→iDバリュー10,000円分やSuica10,000円分/JAL: 10,000マイル→10,000WAON や10,000Pontaポイント)
ポイントや電子マネーなどに交換することで、航空機を利用する機会がなくても、普段のお買い物に活用できるのはうれしいですね。
ANAカードとJALカードの違い
日本でマイルをためる人の多くは、ANAもしくはJALでマイルをためていますが、それぞれのマイルをためるためには「ANAカード」もしくは「JALカード」が必要です。この2つのカードには、どのような違いがあるのでしょうか。
ANAカードの特徴
・ANAカードへの入会で最大10,000マイルがもらえる
・ANA便の搭乗有無にかかわらず、毎年更新時に最大10,000マイルがもらえる
・お買い物100円ごとに1ポイント(=1マイル/ANAアメリカン・エキスプレス・カードの場合)がもらえる
・「ANAカードマイルプラス加盟店」の利用で、クレジットカード会社のポイントとは別にさらに100円または200円=1マイルがもらえる
・マイルに交換する手続きや交換手数料が必要
JALカードの特徴
・JALカードの入会後、最初の登場で最大5,000マイルがもらえる
・入会搭乗ボーナス獲得の翌年以降は、毎年の初回搭乗で最大2,000マイルがもらえる
・お買い物100円ごとに1マイルがもらえる(JALカードショッピングマイル・プレミアム(年会費3,240円/税込)入会の場合)
・「JALカード特約店」の利用で100円=2マイルがもらえる(JALカードショッピングマイル・プレミアム(年会費3,240円/税込)入会の場合)
・お買い物などをすると、直接マイルがたまる。ANAとは違い、ポイントを経由しないので、ポイントからマイルに交換する手間や交換手数料がかからない
上記のように、入会・搭乗・更新・買い物のタイミングでもらえるマイル数や、ポイントからマイルに交換する必要があるかどうかなど、さまざまな点で違いがあります。
また、それぞれのカードには4つのグレードがあり、たまるポイントやマイルへの交換手数料などが異なります。年会費と、飛行機の利用頻度・普段の買い物金額などとの兼ね合いを考慮して、グレードを選んでみてください。
ライフスタイルに合わせてカードの種類を選ぼう
ANAかJALか、どのグレードにするかに加えて、カード選びのタイミングでは、カードの種類も考慮してほしいと思います。
例えば東京メトロをよく利用する筆者は、ANAマイルとメトロポイントがためられ、クレジットカード機能(JCBカード)、PASMO・定期券(鉄道利用)機能が付いている「ANA ToMe CARD PASMO JCB」(ソラチカカード)を使っています。
定期券の購入によりクレジットカード会社のポイントとメトロポイントがダブルでもらえるほか、乗車やチャージでもメトロポイントがたまります。メトロポイントは全て、90%という高還元率でANAのマイルに交換できる点が魅力です。
他にもSuicaやWAONの利用でマイルがたまるカードなど、さまざまな種類のカードがありますので、ご自身のライフスタイルに合わせて選んでみてください。
マイルを賢くためる&使うには
マイルは搭乗でためるのが王道ですが、特に飛行機を利用しない方は、普段の買い物でどれだけ効率よくためられるかが勝負です。下記の表を参考に、買い物の仕方を工夫してみましょう。
また、ANA・JALともに、マイルの有効期限は搭乗日(利用日)から3年後の月末までです(ステイタスによっては有効期限がないケースも有り)。有効期限を過ぎてしまえば、せっかくためたマイルは失効してしまいます。飛行機を利用する機会がない場合には他のポイントに交換するなど、マイルを有効に活用する方法もぜひ模索してみてくださいね。
※写真と本文は関係ありません
荻原 純子(おぎわら・じゅんこ)
法律事務所事務員としての長年の経験からお金の知識が日々必要と感じ、ファイナンシャルプランナーの資格を取得。仕事と家庭の両立に悩む女性に対し扶養・ライフプラン・離婚・資産形成などお金にまつわる相談を幅広く受けており、アドバイスを行っている。自身のホームページ「女性や主婦・OL起業家のためのお金の話」にて、お役立ち情報を発信中。2級FP技能士/マイライフエフピー認定ライター