VAIO株式会社が香港のNextgo社と提携し、新興アジア市場に再参入することになりました。5日から台湾・台北で開催中のコンピュータ見本市「COMPUTEX」にあわせて、4日にNextgo社が台北市内で行った発表イベントで明らかにされたものです。
VAIOとライセンス契約を締結した同社が販売元となり、香港、台湾では7月から「VAIO S11」「VAIO S13」を販売予定。さらにシンガポール、マレーシアにも8月にかけて順次展開予定で、同日各国向けの公式サイトがオープン。事前登録もスタートしています。なお「VAIO S11」「VAIO S13」はCOMPUTEXの期間中、Nextgo社のブースで展示されます。
「日本品質」で新興アジア市場を攻める
「VAIO IS BACK」と銘打たれたイベントには、VAIO株式会社から執行役員副社長の赤羽良介氏も登壇。VAIOの製品ポリシーやグローバル展開について説明しました。
2014年に、ソニーから引き継ぐ形で設立されたVAIO株式会社。高密度集積など多数の技術を継承する一方で、ソニー時代からプロダクトデザインのポリシーを一新し、エンターテインメントを楽しむためのPCから、人々の生産性、創造性を高めるPCへと大きく舵を切ったといいます。
VAIOが提供する新たな価値として、「日本語でいえばカッコイイ・キモチイイということ。中国語では違う意味になってしまうが、日本の漢字でいえば『快』」と説明した赤羽氏。その実現のため、特に「起動速度」、「アクセス速度」、「転送速度」などの応答速度、「キータッチ」や「タッチパッド操作」などの入力および、「ディスプレイ」、「サウンド」などの出力品質、薄くて軽くて丈夫であることへのこだわりをアピールしました。
日本ですでに発売中の「VAIO S11」「VAIO S13」のパフォーマンスや機能については、Nextgo社でVAIO製品のマネージメントを担当するリック・ハン氏が詳しく解説。その際、安曇野工場で行われている落下試験やディスプレイとキーボードの間にペンを挟む試験、キーボードに水をかける試験などの各種テストや、「安曇野フィニッシュ」と呼ばれる品質チェックについても紹介し、「Made in Japanクオリティ」を強調しました。
赤羽氏によれば、VAIOは今回のNextgo社と同様に、各地のパートナー企業が持つ既存のインフラや、現地感覚を活用することで、効率的なグローバル展開を実現。各地の販売パートナーとの提携によって、すでに米国、ブラジル、中国へとマーケットを広げています。今回の提携でそこに新興アジアが加わり、さらなるマーケットの拡大が実現することになります。今後「VAIO S11」「VAIO S13」以外のPC製品についても展開の可能性はありますが、「VAIO Phone」については特に計画はないとのことでした。