Appleは6月4日(米国時間)、開発者向け会議「WWDC18」の基調講演において、セットトップボックス「Apple TV」のOS「tvOS」の次期メジャーアップデート「tvOS 12」を発表し、開発者向けにベータ版を配布開始した。
tvOS 12は現在販売中の「Apple TV(第4世代)」および「Apple TV 4K」に対応。Apple TV 4Kではコンテンツの音声再生時に立体音響技術「ドルビーアトモス」をサポート。Apple TV 4Kは、映像面ではすでに4K HDRに対応し、iTunesストアの映像は順次無料で4K HDRに対応したものに切り替わっているが、今秋からは同様に無料でドルビーアトモス対応に切り替わって行く予定。またtvOS 12により、Apple TV 4KはHDR技術「ドルビービジョン」とドルビーアトモスの双方で認証を受け、4K HDRの高画質と立体音響による映画館のようなAV体験を実現する唯一のストリーミングデバイスとなる。
またAppleは、米国第2位のCATV事業者である「Charter Communications」がApple TV 4Kをサポートし、顧客に提供することを発表。米国内においては、今年後半にも、およそ5000万世帯がApple TV 4KやiPhone、iPad用の「Spectrum TV」アプリでライブ配信や数万ものオンデマンド配信コンテンツを楽しめるようになる。またこの協業の一環として、Chaaterは米国ではAT&Tの「DirecTV Now」、フランスの「CANAL+」、スイスの「Salt」に加入してコンテンツを配信する。
iPhoneとiPad向けに10カ国(日本では未配信)で配信されている「Apple TV」アプリは、1箇所で連携する100以上のビデオアプリからTV番組や映画をまとめて検索・視聴できるアプリで、これまでは一度サインオンすればすべてのアプリでCATV業者による認証が受けられる「シングルサインオン」に対応してきたが、tvOS 12ではブロードバンド接続の種類によって自動的に配信業者を識別し、それぞれのアプリの認証も済ませる「ゼロサインオン」が利用可能になる。ゼロサインオンは、当初はCharterの加入者向けに提供され、その後他のCATV事業者にも拡大する予定(いずれも米国向けに提供)。
さらに、tvOS 12ではNASAの宇宙飛行士が撮影した4K HDR品質の国際宇宙ステーション(ISS)からの地球の映像がスクリーンセーバーが追加される。
これらに加えて、以下の機能が搭載される。
iPhone/iPadの「Apple TV」アプリにサインインすると、安全にパスワードが入力される「オートフィル」機能
「Apple TV Remote」アプリがiOSのコントロールセンターに対応し、どこからでもすぐに呼び出せるようになる
- Control4、Crestoron、Savantのスマートホーム機器がApple TVからSiriを使った検索/操作を含む制御に対応する
tvOS 12のベータ版は、Apple Developer Programのメンバー向けに同日から公開されている。tvOS 12の対応デバイスは、Apple TV(第4世代)、およびApple TV 4K。正式版のリリースは今秋を予定している。