夏の賞与シーズンが迫ってきました。将来の資産形成のため、自分が今勤めている会社の賞与の仕組みを知っておいた方が良いのはもちろんですが、賞与に関する知識は特に転職の際にも重要なチェックポイントにもなります。今回は、そんなぜひ覚えておいてほしい賞与の豆知識をご紹介していきます。

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賞与がたくさんもらえる仕事は?

まず皆さんが気になるポイントといえば、「どの職種が多くのボーナスをもらえるのか」ということではないでしょうか。一般的に賞与をたくさんもらえる職種としては、自動車産業やマスコミ・出版、機械、金融、その他だと、意外にも学校の教師や教授も賞与の支給金額が多いといわれています。

また、中小企業ではそもそも賞与支給がされない場合や、基本給1カ月分より少なかったという場合もあり、一般的に公務員の方が賞与の支給額が多くなっています。

そして基本給が多いほどもらえる賞与も多く、中小企業よりも大企業の方が支給額も大きくなっています。そのため、賞与の金額については基本的には職種よりも会社の規模によって大きく左右されるといえるでしょう。

年俸制の会社の賞与の仕組みは?

年俸制の企業では、賞与についても年俸の金額に含まれている場合が多く、賞与を12カ月分で割った金額が毎月の支給額に上乗せされるというパターンが基本です。

しかし、年俸を12カ月分よりも細かく割って、一般的な夏と冬のボーナス時期に賞与として支給する(その分だけ1カ月の支給額は少なくなる)というパターンや、年俸とは全く別で普通の賞与として支給するというパターン、業績に応じてプラスアルファで賞与が支給されるパターンなど、年俸制の場合の賞与の支給の仕方には色々なケースがあり、就業規則などをしっかり確認する必要があります。

賞与から引かれる社会保険料はいくら?

賞与が支給されるとうれしいものですが、給料同様に賞与からも社会保険料が引かれます。いくら引かれるのか気になる人も多いでしょうが、賞与から引かれる社会保険料を計算するには、協会けんぽ(もしくはお勤めの会社が加入している健康保険組合)の保険料表を参考にする必要があります。

2018年6月現在、夏の賞与が20万円支給される人の場合は以下のような計算式となります。

健康保険料: 20万円×9.90%=1万9,800円

厚生年金保険料: 20万円×18.300%=3万6,600円

ただ、社会保険料は会社が半額負担してくれる仕組みになっています。つまり、上記の合計の半分の2万8,200円、約14%が20万円の賞与から引かれることとなります。

退職するなら賞与はもらえない?

「賞与をもらってから転職したい!」と思っている方にぜひ気をつけてほしいのが、退職意志を伝える時期。会社によっては、就業規則に支給の条件として「賞与の支給日に在籍していること」と記載されていたり、「支給日に在籍していない場合減額」といったような記載がされていたりする場合や、経営者の裁量で退職する社員には賞与を支給しないなんてこともあるのです。そのため、退職を急ぐ理由がない限りは、賞与支給後に退職意志を示すのがベストです。

社会保険料のように計算方法が定められているものもありますが、一概に賞与といっても、金額も支給の仕方も会社によって様々です。一度お勤めの会社の就業規則を改めて確認してみてもいいかもしません。

特に転職する際には、退職のタイミングや転職先の賞与の仕組みをしっかりとチェックするようにしましょう!

※写真と本文は関係ありません

筆者プロフィール: 横川楓(よこかわかえで)

平成生まれのお金の専門家/経済評論家。資産形成、所得格差、年金問題、増税など、これからの世代に振りかかる様々なお金の問題と、周囲の人々のお金の知識との乖離に疑問を持ち、ファイナンシャルプランナー(AFP)、経営学修士(MBA)、マイナンバー管理アドバイザーなどを取得し、お金の知識の啓蒙活動を始める。「お金のことを誰よりも等身大の目線でわかりやすく」をモットーに、ミレニアル世代ならではの視点で、みなさんのマネーライフをハッピーにするべく活動中。twitterで知らないと損する身近なお金の話を随時発信。