現実世界の環境音に重ねて、イヤホンから流れる音も聞こえる”耳をふさがない”完全ワイヤレスイヤホン「Xperia Ear Duo/XEA20」を購入、3週間ほどラフに使い込んだ「マイ・Xperia Ear Duo」のレポートをお届けします。前編では”デュアルリスニング”の音質について語りましたが、後編ではLINEをはじめとしたアプリ連携について紹介していきます。
「Xperia Ear Duo/XEA20」には、GoogleアシスタントやLINEのClovaなどのAIアシスタントを呼び出して操作できる機能があります。それではAIアシスタントまわりの機能をみてみましょう……と、その前に、本機が内蔵する4基のマイクユニットによる「クアッドビームフォーミング」の感度を報告します。
クアッドビームフォーミングは、4基のマイクでノイズを分離し、音声認識や通話品質を向上させるマイク。静かな室内ではボイスコマンドに対して素速く、正確に反応してくれます。周囲が騒がしくなると、やはりそれなりに声を張らないと認識されないことがあります。例えばLINEで恋人に「愛してるぜ、いまから会いたい」といった感じの熱いメッセージを送る時には静かな場所を選んだ方がいいと思います。
LINEのClova連携、呼び出す方法は2通り
LINEのClova連携については、LINEメッセージの作成・送信に読み上げと、LINE MUSICによる音楽の検索・再生がボイスコマンドで操作できます。LINE系機能を使うときには、Xperia Ear Duoの中ではAssistant for XperiaとClova、ふたつのアシスタントが連携しながらタスクをこなします。そのため、最初にClovaを呼び出すステップが必要です。
呼び出す方法はふた通りあって、一つはタッチパッドリモコンからAssistant for Xperiaを起動してから、「Clova、LINEを送って」を音声コマンドを入力するパターン。もう一つはタッチパッドリモコンのマルチタップ操作のひとつにClovaの呼び出しを登録しておくパターンです。後者の方が「Clova」と発声する手間がいらないのでおすすめです。
その後のメッセージ入力は「送信相手」を選択して声でメッセージを入力。Clovaが内容を確認してくるので、ジェスチャー操作などで承認して送るという手順になります。なお、本機能を使うためにはスマホにClovaアプリを入れて、「LINEメッセンジャー」から「友だち設定」に入って、メッセージを送る相手として友だちの“呼び名”を決めておく必要があります。
LINE MUSICだけじゃない、Spotify連携も簡単だった
LINE MUSICについてはClovaを呼び出してから、「中島美嘉の『雪の華』を再生して」といった感じのコマンドを入力すればOKです。LINE MUSICの無料版でも試せるので、長く使えそうな手応えがあれば有料版に乗り換えて使い込んでみる手もあります。
でも、実はXperia Ear DuoとGoogleアシスタントとの連携もかなりスムーズにできます。右側タッチセンサーの操作に「Google」を割り当てると、スマート家電連携も含めた色んな機能がイヤホンから操作できてしまいます。
もし音楽配信サービスにSpotifyかGoogle Playミュージックを使っているのであれば、LINE MUSICよりも便利かもしれません。筆者はSpotifyユーザーですが、イヤホンのリモコンをタップしてGoogleアシスタントを起動してから、「Spotifyで中島美嘉の『雪の華』を再生して」と音声コマンドを入力すると、スムーズに音楽再生がスタートしました。Googleアシスタントの設定からデフォルトの音楽サービスとしてSpotifyを選んで、ショートカット機能も使うと聴きたい曲をすぐに音声で呼び出せます。
iPhoneの場合はXperia Ear Duoのリモコン操作によってSiriが起動します。Siriの場合、リモコンをタップしてから起動までに2秒前後のギャップがありますが、iPhoneのミュージックアプリに保存した音楽の音声検索・再生に対応していました。Siriをブリッジにした場合は、SpotifyやLINE MUSICを起動するところまではできても、そこからアーティストや楽曲を音声で探して再生するところまで行けないのが残念です。
グループチャット「Anytime Talk」はアクティビティ向け
片耳タイプのXperia Earから採用されている、グループチャット「Anytime Talk」も試してみます。最初にホストアプリからグループを作成して、仲間にインビテーションを送信。最大5人まで同時に接続ができます。インターネット経由で通信するので、海外にいる友だちとのコミュニケーションもデータ通信以外の料金が発生しません。
Anytime Talkの通話中は、イヤホンのタッチパッドを押さえ続けなければならないので、体験としては面白いのですが、あまり長時間の会話に向いている機能ではありません。相手の声自体は問題なく聞こえますが、IP通話サービスに比べて反応も遅いので、1対1の通話ならLINEやSkypeで話した方が何かと効率は良いと思います。Anytime Talkはトレッキングやサバゲーなど、グループでアクティビティを楽しむ時に役立ちそうです。
大きな課題はXperia Ear Duo、またはXperia Earのユーザーどうしでないと使えないこと。集まった5人の友だちが皆Xperia Earシリーズのユーザーであることは恐らく稀だと思います。Xperia Earシリーズを持っていない友だちを仲間はずれにするわけにもいきません。他社製の他機種でもAnytime Talkが使える互換アプリがあれば、もっとユーザーの輪が広がってユニークなサービスの認知も広がりそうです。