ANAホールディングス(ANAHD)は5月31日、宇宙旅行をはじめとする宇宙輸送の事業化に向けて、有人宇宙機開発を行うPDエアロスペースに追加出資した。今般の追加出資額は2億円で、第三者割当増資による発行株式を引き受けた。前回(2016年10月)の2,040万円に加え、合計で2億2,040万円となる。

  • 有人宇宙機のイメージ

    有人宇宙機のイメージ

PDエアロスペースは2017年7月、単一エンジンにてジェットモードとロケットモードの燃焼モードを切り替える実験に世界で初めて成功した。今回調達した資金をもとに、愛知県碧南市のR&Dセンターを8倍の敷地に移転、エンジニア含む新たなメンバーを迎え、2019年に日本初となる「無人宇宙航空機による宇宙空間(高度100km)まで到達した後の帰還」を目指し、新型エンジンおよび機体の開発を計画している。

ANAHDでは有人宇宙機開発を加速させるため、追加出資に加えて社員を1名を派遣し、開発の支援を行なっている。今回の出資では、2016年10月において出資したエイチ・アイ・エスおよびANAHDに加え、ハウステンボス、みずほ成長支援第2号投資事業有限責任組合(運営: みずほキャピタル)およびオプティマ・ベンチャーズも新たに出資した。PD エアロスペースは、今後さらなる出資者を募集し、有人宇宙機の開発を実現していく計画をしている。

ANAHDは2018-2022年度グループ中期経営戦略において、Society 5.0(超スマート社会)の実現に向けた取り組みのひとつとして「宇宙旅行や高速輸送」などの新たな市場・需要の創出を目指している。民間による宇宙事業開発が加速する中、ANAも航空運送事業で培ったオペレーションに関する知見を活用し、今後、本格化する宇宙時代を前に、宇宙旅行を含む宇宙輸送事業など、宇宙事業の創出にチャレンジしていく。