シンガポール航空は5月30日、シンガポール=ニューヨーク間をエアバス新型機A350-900ULR(超長距離型)による直行便にて、商業用で世界最長となるフライトの運航を開始すると発表した。フライトはニューアーク・リバティー国際空港行きで、10月11日より開始を予定しており、航空券は5月31日より順次販売する。
同路線は、シンガポールを月・木・土曜日に出発する週3便での運航を予定。その後、追加となるA350-900ULRが納入された後、10月18日より毎日運航となる。シンガポール航空はA350-900ULRを導入する世界初の航空会社であり、エアバス社にはすでに7機を確定発注している。また同機は、ビジネスクラスを67席、プレミアムエコノミークラスを94席備えた、2クラスでの座席構成となっている。
フライト距離は約9,000nm(1万6,700km)におよび、所要時間は最大18時間45分となる。シンガポール航空では2013年までシンガポール=ニューアーク間の運航をしていたが、当時就航していたエアバスA340-500型機の返却以降は運休となっていた。
シンガポール航空のゴー・チュン・ポンCEOは、「当社は、お客さまに最高の空の旅をお届けするため、常に進化し続けられるよう献身的に取り組んで参ります。今回、最新鋭機であるエアバス社の A350-900ULRを直行便として運航することで、より一層前進できるのではないかと嬉しく思います。このフライトは二都市間を結ぶ最速の移動手段を、最高に居心地のよい空間と当社が誇るサービスとともにお届けするものです。さらに、シンガポールをハブとした旅の利便性をさらに高める一助にもなるでしょう」とコメントしている。
A350-900ULRでは、高い天井や大きな窓、広い機内、時差ぼけを軽減する照明などによって快適な空の旅を提供。さらに、カーボン複合材を用いた機体が機内環境の向上を可能にし、機内の高度および湿度がより最適化されている。シンガポール航空では現在、21機のA350-900型機を保有しており、さらに7機のA350-900ULRを含む46機を確定発注している。9月にまず1機目のA350-900ULRを受領し、その後年内に残り7機の全てを受領する予定となっている。
現在はニューヨークのジョン・F・ケネディ国際空港まで、フランクフルト経由で毎日運航している。その他の米国への便は、ヒューストン行き(週5便/マンチェスター経由)、ロサンゼルス行き(毎日/東京およびソウル経由)、サンフランシスコ行き(毎日/直行便および香港経由)を展開している。シンガポール航空では、A350-900ULRによるシンガポール=ロサンゼルス間の直行便も計画しており、詳細については順次発表していく。