歌手で俳優の滝沢秀明が、鹿児島沖の巨大火山「鬼界カルデラ」を探検する番組『滝沢秀明の火山探検紀行 巨大カルデラの謎に迫る』が、30日(21:00~22:29)にNHK・BSプレミアムで放送される。

  • 滝沢秀明の火山探検紀行 巨大カルデラの謎に迫る

    灼熱の硫黄岳の火口を探検

過去1万年で地球上最大の噴火を起こした「鬼界カルデラ」。鹿児島県薩摩半島の南方60キロ沖にある海底火山は、東西22キロ南北19キロもの火口を持ち、7300年前に起こった噴火では、当時南九州で暮らしていた縄文人を壊滅させた。同様の噴火が起こると、東北地方にまで火山灰を撒き散らし、都市機能を完全に麻痺させるほどの被害をもたらすといわれている。

滝沢はここ数年、世界各地の秘境探検に挑んできた。中でも強く惹かれているのが火山。地球内部の活動を目の当たりにでき、「地球の鼓動」を直に感じられる火山に大きな魅力を感じるようになったという。その滝沢が、謎に包まれていた「鬼界カルデラ」の探検に挑む。

  • 滝沢秀明の火山探検紀行 巨大カルデラの謎に迫る

    昭和硫黄島

最初に向かったのは、「鬼界カルデラ」の一部が海上に現れている薩摩硫黄島、そこにそびえる日本有数の活火山・硫黄岳。山頂の火口からは900度を超す火山ガスが大量に噴出し、この超高温ガスに謎を解き明かすヒントが隠されていた。さらに滝沢は、巨大な海底火山にもダイビングで接近する。

今回の探検には重要なミッションがあった。神戸大学が中心となって行っていた調査で、カルデラ中央部の海底に山のような“謎の高まり”を発見していたため、その謎を解明するために滝沢が岩石採取の大役を任されることに。黒潮と波浪が激しい海の中で難しい潜水をこなし、5箇所での採取に成功。岩石を分析した結果、“謎の高まり”は7300年前に起こったカルデラ噴火の後に、新たに溶岩がたまって盛り上がった世界最大級の溶岩ドームであることが判明した。

この成果はイギリスの科学誌サイエンティフィック・リポーツにも世界を驚かせる発見として掲載され、論文には滝沢の名も記された。いつかは必ず起こるとされる超巨大カルデラ噴火の予測へとつながることが期待され、世界の科学者たちの注目を集めている。

  • 滝沢秀明の火山探検紀行 巨大カルデラの謎に迫る

    鬼界カルデラの海底から湧き出す大量の火山ガスは、まるで“泡のカーテン”。

TBS系『クレイジージャーニー』でも「ガチ過ぎる"火山探検家"」として紹介され、話題になった滝沢。今年1月、東海テレビ・フジテレビ系主演ドラマ『家族の旅路 家族を殺された男と殺した男』の制作会見では、火山探検とドラマの共通点を聞かれ、「やっぱり本当の自分を知ることじゃないですかね」と語っていた。