富士通クライアントコンピューティング(FCCL)が新体制となって、最初の会見を行ったのは、2018年5月16日のことだった。
約3年後の「DAY1000」で結果を出す
富士通クライアントコンピューティングでは、この日を「Day1」と位置づけ、齋藤邦彰社長は、「誓いの日」と表現。「数年後に、あの日を境に、FCCLはさらに進化したと振り返ってもらえる日にしたい」と、事実上の事業開始を宣言。「いまから約3年後のDAY1000を迎えたときに、具体的なさらなる進化をお伝えすることを約束したい」とし、今後の成長に意欲をみせた。
会見は、いつもの通り、すべての説明を齋藤社長が行うスタイルを継承した。
だが、いつもと違ったのは、説明の際に単にパワーポイントの資料を映し出すのではなく、動画を織り交ぜた資料を使っていた点だ。「Made In Japan」や「Made for you」、「To the Cutting Edge」。そして、「情熱品質」といった齋藤社長ならではの言葉を随所に盛り込みながら、これまでにない映像型の資料を用意した。
会場となったのは東京・原宿にある多目的ホール「クエストホール」。FCCLがこの会場を使うのも初めてだ。都内でもスクリーンが大きいといわれる同会場で、"Day1"を迎えたFCCLの方針を示してみせたのだ。
この背景には、新たな体制でのスタートを、これまでとは違う姿で表現したいという思いがあったのだろう。
だが、齋藤社長は、「新たな道は、これまでの道の先に続いている」と表現する。それは、冒頭に、富士通のPC事業の歴史から触れたことからも明らかだ。
すべてを日本で手がける「メイドインジャパン」を強調
富士通のPC事業は、日本のパソコン史と深くつながっていると言っても過言ではない。1981年に発売したFM-8を皮切りに、1989年にはマルチメディアパソコンのFM TOWNSを発売。さらに、1993年には、AT互換アーキテクチャを採用したFMVシリーズを投入し、このブランドが継続的に使用されていることを強調してみせた。そして1994年のDESKPOWER、1995年のBIBLO、1997年のPliche、2000年のLOOX、2008年のらくらくパソコン、2016年のLIFEBOOK UH75、2017年のarrows Tab WQと続いていく。
会見では、2018年に生まれたAIのふくまろや、狭額縁のESPRIMO FH77に至るまでの数々のエポックメイキングな製品を示しながら、「PC事業を開始して以来、企画、開発、設計、製造、販売、サポートまでを自ら行う一貫体制を敷いてきた。これは競合他社にはないものである」と発言。
「お客様の要望に対して、いち早く、高いレベルで対応してきた。また、他社が製品の80~90%を台湾、中国のODMで設計生産しているのに対して、川崎での開発、島根や福島での生産にこだわってきた。そのFCCLは、いままでの同じスキームを維持し、『Made In Japan』による日本品質を世界に発信していくことになる」と語った。