ダイソンのDyson Supersonic ヘアードライヤー(以下、スーパーソニック)といえば、高機能なドライヤーとして大人気。一般的なドライヤーは高級モデルでも2~3万円台の製品が多いのですが、スーパーソニックは直販価格で5万円前後という「超高価格」ドライヤーです。ところが、スーパーソニックは2016年の発売以来人気が衰えることがありません。そんなスーパーソニックが、5月28日に新モデルを2種類発表しました。
男性待望! マットなブラック色がカッコイイ新モデル
新モデルのひとつ目は「ブラック/ニッケル」カラーの新色モデル。スーパーソニックといえば、ヘッドの背面デザインにフーシャピンクやブルーなどビビッドな配色をしているモデルがほとんどです。これらのデザインは都会的でカッコイイのですが、少々派手な印象があるかもしれません。
ちなみに、一般的に美容製品を取り扱うドライヤー売り場は女性客が多いものですが、ダイソンによると、スーパーソニックの売り場は男性客も非常に多いのが特徴なのだそう。今までにないスタイリッシュな造形やヒートコントロール機能など、デザイン性やハイテクノロジー好きの男性に人気で、女性のパートナーにスーパーソニックを奨める男性も多いのだとか。
新色のブラック/ニッケルは、本体全体がマットなブラック色で、今までのスーパーソニックにはない落ち着いた配色。モノトーン好きの男性には、とくに魅力的なデザインです。
プロフェッショナルモデルも登場
もうひとつの新モデルが、サロンで使用することを前提としたプロフェッショナルモデル。こちらは美容院での取り回しを考えて、電源コードの長さが1.9mから2.7mに伸張されたモデルです。
また、美容院内には、整髪料やスプレー成分などが空気中に浮遊しているため、スーパーソニック本体に空気を吸い込むところのフィルターが汚れがち。そこでプロフェッショナルモデルでは、取り外し可能なプレフィルターに、細かなメッシュフィルターを搭載。さらに、従来は取り外しができなかったプレフィルターが、簡単に取り外して水洗いできるようになりました。このほか、アタッチメントの取り付け強度がアップしているほか、アタッチメントの種類も変更されるなど、プロフェッショナル向けの細かな変更があります。
スーパーソニックの人気の理由は?
ところで、今回発売された新モデル2種は、カラーや細かな仕様が変更されたものの、基本的なドライヤーとしての性能は従来モデルと同じです。今回の発表会では、スーパーソニックが支持を得る理由についても説明されました。
最大の特徴は「V9」と呼ばれる小型モーターを搭載していること。V9は重量49gと非常に小型ながら、毎分11万回転という強力なパワーを持ちます。
通常のドライヤーはモーターをヘッド部に搭載しますが、V9は小さいのでハンドル部分にモーターを内蔵できます。このため、髪を乾かすときにヘッドがグラグラと前後にぶれることがありません。また、小型のモーターを超高速で回転させるため、運転音が小さいのも特徴。通常のドライヤーは「ぶおーん」と身体に響くような低音が鳴りますが、スーパーソニックは「キーン」とした高音で耳に残りにくい音です。
見た目だけじゃない! 髪の健康にも最適なドライヤー
髪の健康によいのもスーパーソニックの特徴です。ダイソンによると、髪にダメージを与える最大の原因は「高すぎる熱」と「濡れたまま長時間放置すること」のふたつ。
従来のドライヤーは、ヘッドを振って同じ場所に熱風を長時間当てないようにブローする必要がありました。しかし、スーパーソニックにはガラス球サーミスタと呼ばれる温度センサーが内蔵されており、風の温度を毎秒20回チェックし、髪への過加熱を防ぎます。同じ場所をブローしても髪が熱くなりすぎず、ドライヤーに不慣れでも髪を傷める心配がありません。
もうひとつの特徴が風量の強さです。
すばやく髪を乾かすには、強い風で髪をかき分け乾燥させる必要があります。スーパーソニックは巻き込む空気を3倍に増幅するAir Multiplier技術により、強い風を生み出します。
ダイソンのカテゴリーインテリジェンスエンジニア、スティーブ・ウィリアムソン氏によると、スーパーソニックの風は乱気流が少ないのも特徴。普通のドライヤーは送風口から離れると風の強さが急速に減衰しますが、スーパーソニックは強い風を遠くまで飛ばせるそうです。
会場では、スーパーソニックと従来型ドライヤーの比較実験も行われました。ドライヤーと風車をセットし、その間に目の細かなフィルターを設置します。
従来型ドライヤーは、フィルターを2枚間に置くと風車が止まってしまいます。スーパーソニックはフィルター越しでも風が十分に届いているので、風車はぐるぐると回ったままです。
フィルター越しに水で濡れた紙を10秒置いたところ、スーパーソニックに設置した紙だけが乾いているのがわかります。同じようにスーパーソニックならば、髪の隙間を通り抜けてすばやく頭皮を乾かすことも。頭皮は皮膚の2倍の油分を分泌するといわれているため、濡れたまま放置すると雑菌が繁殖しやすい場所。このため、スーパーソニックはスカルプケアにも非常に有効なのだそうです。
スーパーソニックによるブローを実際に体験
新モデルの発表後は実際にスーパーソニックを体験できるコーナーも用意されていました。ここでは、なんとイケメン美容師が実際に髪をブローしてくれます。筆者は広がりやすい「うねり」の強い髪の毛ですが、髪を濡らしもせずに数分ブローするだけで真っ直ぐな髪になりました。
髪の毛があっという間にストレートになったことも驚きですが、じつは何よりも驚いたのがその静音性。「キーン」という高い周波数の音はするのですが、この音があまり耳障りではありません。今回は筆者の左右でもスーパーソニックを使ったブローをしていたのですが、そのような環境の中でもとくに大きな声を出すことなく美容師との会話がハッキリと聞き取れました。これならテレビを観ながらドライヤーを使うこともできそうです。