ホンダ エアクラフト カンパニー(HACI)は5月27日(スイス・ジュネーブ時間)、小型ビジネスジェット機「ホンダジェット」の最新型として、航続距離を約17%(+396km)延長させるなどのアップグレードが施された「HondaJet Elite(エリート)」を世界初公開した。
ホンダジェット エリートは、スイスのジュネーブで5月28日~31日まで開催される欧州最大のビジネス航空ショー「EBACE2018(2018 European Business Aviation Convention & Exhibition)」に先行して行われた発表会で公開された。ホンダジェット エリートは、4月に米国連邦航空局(FAA)の型式証明を、また5月には欧州航空安全局(EASA)の型式証明を取得している。
主翼上面のエンジン配置(Over-The-Wing Engine Mount)形態や自然層流翼型、自然層流ノーズ、一体成型複合材胴体などのホンダジェット独自開発の技術を従来のホンダジェットから引き継いでおり、さらに、複数の最新技術と装備が加えられている。その結果、従来のホンダジェットに比べて航続距離を約17%(+396km)延長、高周波のエンジンノイズ低減により客室内の静粛性をさらに向上、そして、アビオニクスシステムの進化により、離着陸時および飛行時の安定性や安全性などの面でもその機能をさらに強化している。
また、燃費効率も優れており、同等サイズの双発ビジネスジェット機よりも温室効果ガス排出量を低減している。これらによりホンダジェット エリートは、クラス最高水準(Honda調べ、小型ジェット機として)の最高速度、最大運用高度、上昇性能、燃費性能、静粛性、室内サイズおよび航続距離を実現した。
ホンダジェット エリートの航続距離はクラス最長となる1,437ノーティカルマイル(NBAA IFR Range、約2,661km)であり、エンジンインレットに客室内のノイズを低減する新構造が採用されている。また、全ての飛行フェーズにおいて速度や巡航高度、燃料消費率などを最適化する飛行計画を自動作成できるほか、気温や標高、機体重量などに基づき必要滑走路長、Vスピードおよび適正な上昇/進入角度などを自動計算する。
そのほかオプション設定として、運用限界を超える領域での飛行を防ぐ機能や、パイロットの負荷を軽減させるゴーアラウンド時の自動操縦機能、 機体カラーとしてアイスブルー(Ice Blue)/ルビーレッド(Ruby Red)/マナークオレンジ(Monarch Orange)の3色の選択、航空業界初のスピーカーレス室内音響システムであるBongiovi(ボンジョヴィ)オーディオシステムの搭載などがある。その他の機内装備として、ベルト付き化粧室シートや新デザインギャレー(厨房)、ツートンカラーの皮革製エグゼクティブシートもオプション可能となっている。
HACIの藤野道格社長は、「EBACEでホンダジェット エリートをご紹介することができ、嬉しく思います。ホンダジェット エリートは、性能、移動の効率、および環境において、ビジネス航空業界に新たな価値の創造を追及し続けるという我々の決意を表すものです。進化した技術を追加することで、性能、快適性、そしてデザイン性をさらに向上させたホンダジェット エリートは、小型ビジネスジェット機の新たなスタンダードとなると期待しています」とコメントしている。