JR西日本の山口線「SLやまぐち号」、北陸本線「SL北びわこ号」などを牽引してきた蒸気機関車C56形160号機が27日、本線(JR西日本営業線)での営業運転最終日を迎えた。「SL北びわこ号」として米原~木ノ本間を走り、駅も沿線も多くの鉄道ファンらで混雑した。
京都鉄道博物館が収蔵する同機関車は1939(昭和14)年に製造され、小型の旅客・貨物用蒸気機関車C56形の最終号機となった。北海道で新製配置され、全国各地で活躍した後、梅小路蒸気機関車館(現・京都鉄道博物館)で動態保存。「SL北びわこ号」は1995(平成7)年8月から運行開始し、C56形160号機は20年以上にわたり湖北路で活躍してきた。「SLやまぐち号」も牽引したが、山口線での運行は今年5月6日をもって終了している。
「SL北びわこ号」はC56形160号機が12系客車5両を牽引し、北陸本線米原~木ノ本間で下り2本運行。全車指定席だが、1カ月前に発売された指定席券は即日完売だったという。当日は午前の「SL北びわこ1号」(米原駅10時9分発・木ノ本駅10時52分着)が運行される前から多くの鉄道ファンらが集まり、沿線で撮影する人も多数。終点の木ノ本駅もホーム・駅周辺ともに多くの人でにぎわい、駅前広場でイベントも開催された。
「SL北びわこ1号」が木ノ本駅に到着すると、C56形160号機の周囲は写真撮影などを行う人で混み合い、12系客車や電気機関車EF65形1132号機にカメラを向ける人も多かった。同列車の停車中、木ノ本駅を通過する特急「しらさぎ」は下り・上りともに徐行運転での通過となった。木ノ本駅到着後の「SL北びわこ号」は回送列車となり、EF65形1132号機の牽引で11時40分頃に発車して米原駅へ。午後の「SL北びわこ3号」は米原駅13時16分発・木ノ本駅14時0分着で運行され、これがC56形160号機の本線最終運転となった。
「SL北びわこ号」での運行を終えたC56形160号機は梅小路運転区に戻り、18時40分頃から京都鉄道博物館の扇形車庫にて「ありがとうC56 本線運転引退セレモニー」が開催される。夏以降の「SL北びわこ号」は蒸気機関車D51形の牽引による運行を予定している。