マツダは24日、同社のフラッグシップモデルである「アテンザ」のセダンおよびワゴンを大幅に改良し、全国のマツダ販売店を通じて予約受注を開始した。

  • 左が新型「アテンザ ワゴン XD L Package」(マシーングレープレミアムメタリック)、右が新型「アテンザ セダン 25S L Package」(ソウルレッドクリスタルメタリック)

最高のエレガンスを追求したデザイン

3代目アテンザとしては4回目にあたる今回の改良。中でも印象的なのがエクステリアの変貌だ。フロントグリルの形状やヘッドライトにも大きく手を加え、立体感や重心の低さ、ワイドさを強調。ホイールにも新デザインを採用している。

  • メッシュタイプのグリルがインパクトを放つフロントマスク

  • セダンのリアエンドパネルとガーニッシュは水平基調の造形に

  • セダンの車体寸法は、全長4,865×全幅1,840×全高1,450mm。ホイールベースは2,830mm。ワゴンの車体寸法は、全長4,805×全幅1,840×全高1,480mm。ホイールベースは2,750mm

インテリアにおいては、シートデザインを一新し、インストルメントパネルとドアトリムのデザインも大幅に変更。エクステリアと同じく、車内にはフラッグシップモデルにふさわしい質感が広がる。

  • 本革仕様のシートには、ヒーターだけでなくマツダ車として初採用のシートベンチレーション機能を備えた

上級グレードの「L Package」では、ナッパレザーシートや東レが展開する「ウルトラスエード ヌー」を採用。そのほか、栓(せん)の木を用いた本杢パネルなど、最新かつ最良の素材をマツダ独自の色合いで仕上げている。静粛性の向上に力を入れたというのも注目すべきポイントだ。

全ての人が“走る歓び”を味わえる性能

走行性能に関するコンセプトは“Effortless Driving(エフォートレス・ドライビング)”。次世代の車両構造技術「SKYACTIV-VEHICLE ARCHITECTURE(スカイアクティブ-ビークルアーキテクチャー)」の要素を一部採用し、シートやサスペンションシステムの構造を一新するとともにボディにも効率的な補強を施した。同車両はマツダブランドを体現するフラッグシップモデルとして、誰もが思い通りに運転することができ、心に余裕をもってドライブを楽しむことができる状態を目指したという。

  • 「SKYACTIV-G 2.5」エンジンは、最高出力140kW(190PS)/6000rpm、最大トルク252Nm(25.7kgf・m)/4000rpmを発揮

エンジンは従来から設定のある3機種を展開しているが、直列4気筒DOHC2.5リッターガソリンエンジンの「SKYACTIV-G 2.5」には気筒休止技術を採用し、直列4気筒DOHC2.2リッターディーゼルエンジンの「SKYACTIV-D 2.2」には急速多段燃焼技術を投入するなど、それぞれが進化を遂げている。

  • 死角の危険察知をサポートする「360°ビュー・モニター」もオプションとして新たに設定

安全性能の面では、最新の先進安全技術「i-ACTIVSENSE(アイ・アクティブセンス)」を装備したことで、夜間走行を含むより幅広いシーンでの安心・安全な運転をサポートする。「マツダ・レーザー・クルーズ・コントロール(MRCC)」を全車速追従機能付とし、ヘッドライトのLEDユニットを20分割化することで夜間視認性も向上。「アドバンスト・スマート・シティ・ブレーキ・サポート(アドバンストSCBS)」も夜間における歩行者認識精度をアップしている。

ラインナップは、セダンとワゴンともに6グレードを展開する。ガソリン車は全てFFと6段ATの組み合わせとなるが、ディーゼル車ではFFと4WDを設定し、それぞれ6段ATと6段MTを用意している。価格は、ガソリン車が282万9,600円~354万2,400円、ディーゼル車が324万円~419万400円となる。

  • 発表会には、マツダの代表取締役社長兼CEO・小飼雅道氏(中)、商品本部 開発主査・脇家満氏(右)、チーフデザイナー・玉谷聡氏(左)らも出席

あくまでも「アテンザ」はマツダにとってのフラッグシップであるということを再確認させられた今回の改良。世界的にSUV需要が高まっている中で、セダンやステーションワゴンでしか表現できない資質を極めた、マツダの強い意志を感じられる1台に仕上がっている。

※価格は全て税込