ビアトリクス・ポターの世界的ベストセラー絵本をハリウッドで初めて実写化した映画『ピーターラビット』(公開中)の日本語吹替え版で主人公のウサギ・ピーターの声を担当した俳優の千葉雄大(29)にインタビュー。

自然豊かなイギリスの湖水地方を舞台に、ウサギたちがミュージカルのように歌い踊る本作では、ピーターのかわいいだけではない魅力が生き生きと描かれる。「僕もかわいいだけじゃない!」と語る千葉に、ピーターの魅力や作品全体に魅力、そして、ピーター役という大役挑戦の感想を聞いた。

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    千葉雄大 撮影:蔦野裕

ピーター役の難しさとやりがい

――まず、ピーター役の吹き替えで特に意識したことを教えてください。

今回のピーターは「かわいいだけじゃない」というのがあって、僕もそうだったんですけど、みなさんがピーターラビットに抱いているかわいいキャラクター性だけでない一面・・・イタズラをする、リーダーシップがあって男気がある、そういう部分を出すことを意識して演じました。

――苦労した点や難しかった点は?

会話のテンポが速かったので、そのスピードについていきながら、その中で声の抑揚で感情の波を表すというのは、なかなか必死でした。

――これまでもアニメや実写の吹き替えを経験されていますが、声の演技はお好きですか?

好きですね。表情が映らず動きもわからない中で、その絵に合わせてなりきるというのは、やりがいがあって魅力的です。まだ慣れていない部分があるので「あー大変だな」と負荷を感じる部分もあり、そういう緊張感のあるお仕事という楽しさもあります。

――自分の声はお好きですか?

嫌いというわけではないですけど、好きではないです(笑)

――どうしてですか!?

自分の声って客観的に聞くと変じゃないですか? だからあんまり。人からはよく、早口だと言われます。

――完成した本作を見て、ご自身のピーターの声はどう感じましたか?

なぜだかわからないんですけど、今回はすごく客観的に見ることができて、だから声に違和感を抱くことなく作品として楽しむことができました。声を吹き込む前に字幕版も見せていただいたんですけど、吹き替え版には字幕版のおもしろさとはまた別の楽しさも盛り込まれているというか、色合いが違っておもしろかったし、感動しました。

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テーマソング歌唱は「死にもの狂いで」

――テーマソング「I Promise You」も歌われましたが、歌もとても素敵でした!

そんなことないです。もう死にもの狂いで(笑)。でも先生にご指導いただき、歌詞の意味や歌い方からいろいろアドバイスしてもらったので、それを繰り返し練習して挑みました。

――具体的にどんなことを教えてもらったんですか?

ピーターラビットの役として歌ったので、この歌詞のときのピーターの気持ちはどうだとか。あと、歌詞自体がとても前向きな歌だったので、「ちょっと笑いながら歌ってみましょう」とか、いろんなバージョンを試してふり幅をつけてくださって、最終的に「ここはさっきのパターンでやりましょう」というように仕上げていきました。

――演じながら歌うというのは、普通に歌うよりも何倍も難しそうですね。

普段は誰かに聞かせるつもりで歌ってないですから。自分が気持ちよくなるために歌っているので、その違いがまずありますよね(笑)

――歌の自己採点は!?

いやー歌に関しては採点できないです(笑)

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――これをきっかけに今後、歌のオファーがきたらどうしますか?

それはやらせていただきたいです! ミュージカルもすごく好きなので挑戦してみたいですし、ただ歌手デビューとなると、それはちょっと違うかなと(笑)。僕はライブに行く側が好きなので。

――歌うことへの抵抗はなさそうですね!

抵抗はないです!