東京の渋谷におけるソニーの情報発信拠点……、ソニースクエア渋谷プロジェクトでは5月24日から、音楽体験を届ける企画「The Music Experience ~ソニーの音楽を体験しよう~」がスタートしました。音楽にまつわるデジタルコンテンツを、遊び心を交えて紹介しています。

  • ソニースクエア渋谷プロジェクト
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    渋谷モディ1階で展示されている、ソニースクエア渋谷プロジェクト。開催期間は5月24日から7月中旬までを予定しています

気になる展示内容は?

はじめに、展示内容を簡単に紹介しましょう。ソニーでは、ブランドプロモーションとして“Lost in Music”を掲げています。これは「音楽に浸る」という意味で、没入感のある音楽体験を示唆したもの。そんなテーマにも合致する展示が、PlayStation VRを活用したコーナーにありました。世界中で数百万枚のアルバムを売り上げているカリード(Khalid)のミュージックビデオの中に入り込むことができる趣向です。

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    PS VRを装着すれば、そこはカリードのミュージックビデオの中。プロジェクションマッピング技術を活用した、新しいVRミュージックビデオ体験が可能です

また、アメリカで大人気のDJ / プロデューサー、DJキャレド(DJ Khaled)のアルバム『MAJOR KEY』のジャケットと同じデザインの背景が用意されていました。ビビッドでカラフルな花々に囲まれ、ライオンと一緒にフォトジェニックな写真を撮影できます。

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    DJキャレドのアルバムジャケットの中に入って写真撮影できるスポット

このほか“第2のテイラー・スウィフト”との呼び声高い14歳の天才アーティスト、グレース・ヴァンダーウォール(Grace VanderWaal)が、ソニースクエア渋谷プロジェクトのために収録したオリジナルメッセージが聞けるコーナーを設置。オーディオキューブ(箱)の中に頭を入れると、メッセージと翻訳文が視聴できる仕掛けです。

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    14歳の天才アーティスト、グレース・ヴァンダーウォールが寄せたメッセージを視聴できるオーディオキューブ

Xperia Ear Duoも試せる!

試聴スペースには、耳をふさがない左右独立型のワイヤレスオープンイヤーステレオヘッドセット「Xperia Ear Duo」や、左右独立型のノイズキャンセリングステレオヘッドセット「WF-SP700N」が展示されていました。常駐するスタッフに説明してもらいながら、ゆっくりと使い心地を試せます。

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    Xperia Ear DuoとXperia XZ2(上)、WF-SP700NとウォークマンAシリーズの「NW-A45」(下)

意外なところでは、ステレオレコードプレイヤー「PS-HX500」を設置。用意されているアナログレコードで温もりあるサウンドを楽しめるほか、お気に入りのLPレコードを持ち込んで試聴することもできます。試聴スペースでは、最新のオーディオ機器で、ザ・チェインスモーカーズ、P!NK、ビヨンセなど話題の新譜を堪能できます。

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    ステレオレコードプレーヤー「PS-HX500」と、ステレオアンプ「STR-DH190」、3ウェイ・スピーカーシステム「SS-CS5」(上)。試聴スペースにはイスまで用意されていました(下)

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    ワイヤレスノイズキャンセリングステレオヘッドセット「WI-SP600N」(上)と、同「WH-H900N」(下)

渋谷に広がるソニーの輪

壁には、グレース・ヴァンダーウォールのウクレレ、カミラ・カベロのサイン入りTシャツ、P!NKのギターなど、ソニー・ミュージック所属の洋楽アーティストの様々なグッズが展示されています。ソニーは今回、どのような狙いでこのスペースを設置したのでしょうか。

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    壁に飾られているグレース・ヴァンダーウォールのウクレレ

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    ジョン・レジェンドのサイン入りCDブックレット

昨年(2017年)4月にオープンしてから、1~2カ月に1度の頻度で内容を入れ替えているというソニースクエア渋谷プロジェクト。直近では、映画『ジュマンジ』や、ペットロボット「aibo」をテーマにした展示が行われてきました。ソニー関係者は「1年がたち、リピーターも増えてきました。あのスペースではいつも面白いことをやっている、と感じてもらえているのでは」と手応えを口にします。

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    ラス・ビーの「LOST BOY」の直筆歌詞

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    シャキーラのドレス(右)

銀座にはソニーショールーム、ソニーストアがあります。それとは違うカタチで、渋谷にこうした展示スペースを設置する狙いはどこにあるのでしょうか。「銀座では、商品の認知力を上げる、販売する……そういった役割を担っています。一方で渋谷では、これまでソニー製品に触れてこなかった、あるいは最近ソニー製品に触れていない、そんな層にリーチしたい。渋谷で開催することで、若い層にも知ってもらう、さらには好きになってもらうことができると考えています」(ソニー関係者)。徐々に渋谷の中にもソニーの輪が広がっているのを感じる、そんな表現でこの1年の成果を振り返ります。

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    来場者にアンケートを呼びかけるのは、ソニーのコミュニケーションロボット「Xperia Hello!」

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    オリジナルグッズがもらえる企画も実施中です

筆者は中年世代なので、ソニーと聞けばまずデジタル製品を思い浮かべますが、若い世代だと映画、音楽、ゲームなどを連想する人も多いことでしょう。先の担当者は「このスペースでは、様々な製品やコンテンツを“One Sony”として魅せることができます。今回、音楽ファンとしてここを訪れて、それがきっかけで別のソニー製品も好きになってもらえるかも知れない。『ソニーのファン』をひとりでも増やしたい、そんな想いでこのスペースを運営しています」と説明していました。

取材が終わり、カメラを片付けながら担当者と世間話をしていると、そこに訪れたのは中学生の一団。見たところ修学旅行中のようです。どうも通りがけにPS VRが置いてあるのを見つけ、興味をもった様子。担当者は笑顔で、こんな話を続けました。

「aiboをテーマにしたときは、初代AIBOを知らない世代にも訪れてもらえました。自分は子どものころ、父親が買ってきたソニー製品に触れて、その良さを知りました。幼いころの体験や記憶は、大人になっても残るもの。彼らにもそんな思い出を、ここでつくってもらえたら嬉しいですね」