先週、大阪支店に出張した時のこと、「これ、てれこやなぁ」「てれこにならんよう気ぃつけや」なんて言葉を耳にした。

さて、「てれこ」ってどういう意味? ビジネスシーンで使われる言葉なの? ということで、今回は「てれこ」の意味や使い方をご紹介します。

■「てれこ」の意味

「てれこ」とは、「互い違い、食い違い、入れ違い、あべこべ」という意味の関西弁です。「なんや、てれこな話しやなぁ」と言えば、「話があべこべだ」という意味になります。

■「てれこ」の語源

元々は、歌舞伎の世界で「二つの異なる筋を一つの脚本にまとめ、一幕おきに交互に展開すること」を「てれこ」と言っていたもので、これが転じて、今では「互い違い」などの意味でさまざまなシーンで使われるようになったようです。

語源を調べてみると、「手を加える」という意味の「手入れ」に接尾語の「こ」がくっついた「手入れこ」が、しだいに「てれこ」に変化していったという説と、「人の手を入れ(てれ)て、交互(こ)にする」の略語という二つの説があることが分かりました。後者は、かなり略されていますね。

■「テレコ」の使い方と例文

歌舞伎の世界では平仮名の「てれこ」ですが、それ以外ではカタカナ表記(テレコ)が一般的です。ここからは「てれこ」の使い方を紹介。関西弁による日常会話やビジネスシーンでの会話のほか、各業界での使い方をみていきましょう。

■関西弁

「このポスター、上下テレコになっとるで」

このポスター、上下が逆になっていますよ。

「あんたのシャツ、テレコちゃう?」

あなたのシャツ、裏表じゃない?

■ビジネスシーン

「その資料、ページがテレコになってますよ」

その資料、ページ順が違っていますよ。

「その請求書はA社宛です。B社のとテレコになっていませんか?」

その請求書はA社宛です。B社のと入れ違いになっていませんか?

「先ほど、課長とテレコで現地に到着しました」

先ほど、課長と入れ違いで現地に到着しました。

■放送業界

「この台本、台詞の順番がテレコになってますね」

この台本、台詞の順番が入れ替わってますね。

■物流業界

「A社とB社の荷物をテレコで納品してしまった」

A社とB社の荷物をあべこべに納品してしまった。

■アパレル業界

「このディスプレイ、ブランド表記がテレコですね」

このディスプレイ、ブランド表記があべこべですね。


「テレコ」は、主に関西圏で使われる言葉ですので、それ以外の地域では、聞いたことがないという人も多いかもしれませんね。関西で仕事をするときは、耳にするかもしれませんので、覚えておくと良いでしょう。