iOS標準装備アプリの洗練された操作性とユーザインターフェイスは、アプリ開発におけるお手本となるものです。スケジュール管理アプリ『カレンダー』もその例に漏れず、水平方向に持ち替えれば表示が週モードに切り替わるなど、細部まで考え抜かれています。
『カレンダー』アプリでは、イベントの開始/終了時刻を登録するときに「ドラム」と呼ばれるアイテムを使用します。指で上下方向にドラッグして回転させることで日/時/分を調整しますが、ドラッグ(指の動きは遅め)の代わりにフリック(指の動きは速め)するとドラムの回転速度が増すなど、直感的に操作できることがポイントです。
さらに、このドラムには裏ワザが隠されています。選択された日時(罫線で挟まれた領域)をタップしてみましょう。それまでは5刻みだった右端の「分」部分が、タップ後は1刻みに変わります。もう一度タップすると5刻みに戻りますから、この仕掛けは1分単位でスケジュール管理したいというニーズを考慮してのことだと想像できます。
ドラムをタップすると分の刻みが変わるという裏ワザは、『カレンダー』独特のものです。『時計』アプリのアラーム画面や『リマインダー』アプリの日時設定画面にもドラムが使われていますが、タップしても何も起こりません。細部まで考え抜かれている証拠といえるのではないでしょうか。
ところで、イベントの開始/終了を1分刻みで指定する裏ワザは、Siriに命令するときにも利用できます。ドラムを操作する必要がないSiriのことですから、当然といえば当然の仕様ですが、1分刻みのイベントを複数登録する必要がある場合は、Siriを利用するほうが効率的です。