京成電鉄は20日、東成田(旧成田空港)駅開業40周年の記念企画「旧スカイライナー専用ホーム解禁イベント」を開催した。かつて「スカイライナー」が発着し、現在は未使用となっている旧1・2番線ホームが公開された。

  • 東成田(旧成田空港)駅「旧スカイライナー専用ホーム」が公開された

同駅は成田空港開港翌日の1978(昭和53)年5月21日、成田空港駅として開業。2面4線のホームを備えた地下駅で「スカイライナー」も発着したが、空港ターミナルへは同駅からバスに乗り換える必要があったという。1991(平成3)年3月19日、成田空港ターミナルへ直接乗り入れる現在の成田空港駅が開業し、これにともない旧成田空港駅は東成田駅に駅名を変更。現在は1面2線のみ使用し、東成田駅に停車する列車はすべて芝山鉄道(2002年10月開業)に乗り入れ、芝山千代田駅まで運行されている。

「旧スカイライナー専用ホーム解禁イベント」は東成田(旧成田空港)駅の開業40周年を記念して企画された。「旧スカイライナー専用ホーム」の見学用に1,000枚用意された記念ポストカードは約1時間で予定枚数に達したとのこと。イベント開始直後から多くの来場者でにぎわい、「旧スカイライナー専用ホーム」では「なりたくうこう」の駅名標や乗車位置案内、時刻表、車止めなど、かつて「スカイライナー」が発着する終着駅だった時代の面影を色濃く残す設備にカメラを向けていた。

  • 「なりたくうこう」の駅名標や東武特急「スペーシア」の広告なども当時のまま

  • 旧成田空港駅時代の時刻表や「メトロ ネットワーク」の路線図も残る

  • コンコース階には有人改札や飲食店の跡も

ホームに残る「当駅発標準時刻表」では、平日・休日ともに7~22時台に毎時1~2本程度の列車(朝の「モーニングライナー」も含む)が旧成田空港駅を発車していたことを確認できる。時刻表を見た来場者からは、現在の「スカイライナー」の本数と比べて「少ないね……」との声も。ホームの広告看板も旧成田空港駅時代のまま残されており、デビュー間もない東武鉄道の特急「スペーシア」の広告も間近に見ることができた。

当時の営団地下鉄(現・東京メトロ)・都営地下鉄をはじめとする「メトロ ネットワーク」の路線図もあり、「旧スカイライナー専用ホーム」が現役だった頃の半蔵門線は三越前駅まで、都営三田線は三田駅まで、西武有楽町線は新桜台駅までの営業で、地下鉄南北線・副都心線や都営大江戸線、東葉高速鉄道などは未開業だったと確認できる。「お手洗いはスカイライナー3号車にありますのでご利用願います」の案内に、手書きで「(ニュースカイライナー4号車)」と加えられており、2代目「スカイライナー」車両AE100形(1990年デビュー)がこのホームを使用した期間が短かったこともうかがわせた。

コンコース階も有人改札や飲食店の跡、初代AE形のイラストが入った「スカイライナーのりば」の案内板など、当時を思い起こさせるものが多く残っていた。「旧スカイライナー専用ホーム」に入れるのはこの日限りだったが、駅舎やコンコースの陶板レリーフをはじめ、旧成田空港駅時代の面影を残すものは多い。成田空港輸送40周年の特設パネル展示も行われており、2019年5月19日まで1年間の展示を予定している。

  • 東成田(旧成田空港)駅と「旧スカイライナー専用ホーム」の様子