NTTドコモは5月16日、2018年夏期に発売する新端末および新サービスの発表会を開催。夏モデルの新端末数はスマートフォン10機種(うち1機種は法人向け)、タブレット1機種の計11機種ですが、ハイエンドを中心に意欲的な機種が多く登場しています。前編ではハイエンド端末7機種を紹介しました。後編ではミドルレンジ~エントリー端末4機種を解説していきます。
月額割引の「docomo with」向けミドルレンジ端末
LG style L-03K(LG電子)
6月下旬発売
直販価格:40,176円(新規・一括購入時)
LGとしては初の「docomo with」対応端末。docomo with対応端末は、価格面の制約もあり、どうしても性能面が抑えられているものが多い印象ですが、LG styleはメモリが4GB、ストレージが64GBと大容量かつ、流行の超ワイド画面(アスペクト比が16:9よりも縦長になる画面)でフルHD+(2,160×1,080ドット)の5.5インチディスプレイを搭載し、防水・防塵、ワンセグ、FeliCa(おサイフケータイ)に対応するなど、そつのない作りに仕上がりました。生体認証への対応も、指紋認証と顔認証を搭載するなど、ミドルレンジ機としては積極的です。
docomo withは長期契約を前提としたプランのため、できるだけ長期間、ストレスなく使える性能のものが望ましいですが、目新しい機能を多数取り入れている本機は、かなり魅力的な端末。ただしこのクラスになると、SIMフリー端末+MVNOという選択肢も入ってくるわけで、端末のせいではないとはいえ、なかなか悩ましいところです。おサイフケータイやワンセグなどに、どこまで魅力を感じられるかがポイントになるのではないでしょうか。
洗剤でワシャワシャ洗える綺麗好きスマホ
arrows Be F-04K(富士通)
5月下旬発売
直販価格:33,696円(新規・一括購入時)
「docomo with」に対応した、富士通コネクテッドテクノロジーズ製端末。2017年に登場した同名の端末(arrows Be F-05J)の後継機で、SIMフリー端末として販売されている同社の「arrows M04 PREMIUM」ベースのスマホとなります(サイズなどは微妙に異なります)。
性能的にはローエンドですが、落下時に画面が割れにくくキズがつきにくい堅牢製や、FeliCa(おサイフケータイ)、防水防塵、ワンセグチューナー搭載など、日本市場向け機能は前モデルから継承し、カメラも広角レンズを搭載するなど、ツボを押さえた作りとなっています。
防水・防塵を活かして、汚れたら泡タイプのハンドソープや台所用洗剤で洗える清潔さは、汚れやすい環境で使う人にとっても魅力的。前モデルと比べると生体認証(指紋認証)も搭載しており、きっちりバージョンアップしてきました。子供やお年寄りに持たせたい1台を選ぶとしたら、ベストマッチではないでしょうか。
法人向けガテン系スマホが久々登場
TOUGHBOOK P-01K(パナソニック)
今夏発売
直販価格:未定
頑丈ノートPCとして実績のある、「TOUGHBOOK」ブランドを冠したスマートフォン端末。外見上もゴツゴツしていて、「いかにも」な感の強いデザインですが、1,000回に及ぶ落下試験など、米軍の装備仕様であるMIL規格に準拠したハードな試験をクリアしています。その耐久性は折り紙つき。
ドコモとしては4年ぶり(以前は2014年の「GALAXY S5 Active SC-02G」)のタフネス端末(ちなみに、パナソニック製端末としては5年ぶりの採用)。もともとタフネス端末の販売については、工事業界や運送業などからの要望が高かったとのことですが、最近では医療や介護といった、落下等のハードな環境だけでなく、衛生面から消毒・洗浄したいという要望からタフネススマホを求める声もあるといい、今回の導入に至ったといいます。
ビジネス向け端末なので、基本は法人営業のチャネルで販売される端末ですが、ドコモショップなどで取り寄せすることは可能とのこと。SIMフリー端末でも、「キャタピラー」ブランドの「CAT」シリーズや、京セラ「DURA FORCE PRO」といったタフネス端末が人気ですが、キャリア端末としてこういったタフネス端末が欲しかった人は要注目でしょう。ただし性能面では、解像度がHD(1,280×720ドット)だったり、SoCも4年前に登場したSnapdragon 210と、現在の水準ではローエンドに相当するレベル。このあたりは割り切りが必要です。
防水防塵のデュアルカメラを載せた小型タブレット
dtab Compact d-02K(ファーウェイ)
今夏発売
直販価格:未定
2018年2月に発売を開始した、10.1インチのタブレット「dtab d-01K」のコンパクトモデルに位置付けられる、8インチのタブレット。タブレットながらデュアルカメラを搭載しており、IPX5/7相当の防水と、IPX6相当の防塵機能を搭載。お風呂や台所での利用も考慮されています。ただし、処理能力的にはミドルレンジクラスで、ステレオスピーカーは搭載していますが、d-01Kに搭載されていた地デジチューナーなどは省かれました。
デュアルカメラは1,300万画素+200万画素という組み合わせで、撮影した写真の背景をぼかすなど、ファーウェイ製スマートフォンにある画像処理機能を搭載。レンズの明るさは、F値が2.0(1300万画素)と2.4(200万画素)と、タブレットにしては明るめなものが採用されています。
7~8インチクラスのタブレットとしては、AmazonのFire HD 8が価格面でもコンテンツ再生面でも非常に強力ですが、分割購入であればこのdtabも負けておらず、LTE通信でどこでも利用できるという点ではFire HDよりも利便性は上回るとも言えます。むしろLTEにメリットを感じる人であれば、同じファーウェイ製も含めたSIMフリーのAndroidタブレットとの比較のほうが適切かもしれません。
小型・軽量なので、家の中での移動も含めた持ち歩きが容易で、スマートフォンより大画面なので、コンテンツも見やすいのがうれしいところ。2018年5月からスタートした「+メッセージ」もプリインストールされているので、音声通話を必要としなければ、むしろスマートフォンよりいい、という人もいるでしょう。