俳優の綾野剛がこのほど、7月スタートのテレビ朝日系主演ドラマ『ハゲタカ』(毎週木曜 21:00~)のクランクインを都内で迎えた。その撮影現場での様子を紹介していく。
同ドラマは04年に刊行され、ベストセラーになった真山仁氏の同名小説が原作。大森南朋主演で、NHKで07年にドラマ化されると、第59回イタリア賞、第12回アジア・テレビジョン・アワードなど、世界のテレビ賞を次々に受賞し、09年には映画化もされている。今作の脚本は『任侠ヘルパー』『S-最後の警官-』などの古家和尚氏、監督は『相棒』シリーズなどの和泉聖治氏が手がける。
綾野が演じる主人公の外資ファンド代表・鷲津政彦は、バブル崩壊後の97年、"失われた10年"の渦中にあった日本に突如として登場。"ハゲタカ"と激しいバッシングを受けながらも、不良債権を抱えた銀行や経営不振の名門企業へ買収劇を仕掛け、鮮やかに勝利していく。
クランクインは、スーツを着た多くの人々が歩く中、鷲津がただ1人逆方向に歩いていくというシーンで迎える。撮影のために多くのエキストラが集結し、彼らに和泉監督らから歩き方やスピードなど、細かい指示が飛んでいた。シーンを撮り終えると、和泉監督と綾野は入念にモニターチェック。綾野が納得したように「うん、うん」と頷く場面も見られた。
またこの日、印象的だったのは綾野の報道陣らに対するサービス精神。撮影場所を移動する際に報道陣の前に顔を出し、「おはようございます。本日は暑い中ありがとうございます」と険しい顔の鷲津を演じる表情とは一転、柔らかい表情で挨拶していた。
フォトセッションの場面では、カメラマンから笑顔を求められると、「(鷲津は)笑顔がないんで。すみません」と断るも、その後「笑いますね」と笑顔の表情を見せた。
さらに、この日は囲み取材の予定はなかったものの、フォトセッション終了後に記者からの質問に答える場面も。和泉監督とのタッグについて「和泉監督が生み出すブルーの空間、"和泉ブルー"に入れたのは、すごくうれしかったです」と感想。モニターチェックのときには「見るとどうしてもニヤッとしてしまうので、はじめはあんまり行かずにいました」と笑顔で振り返っていた。
そして、オファーを受けたときの気持ちを「喜びと不安が入り混じったような、カオスな状態です。初めてテレ朝さんで主演をやらせていただくので、抜てきしてくださったことにきちんと応えたいです。今までにない鷲津像というか、僕自身もとんでもない壁に挑まないといけないので、1人で作らずに全員で『ハゲタカ』という世界を作っていけたらいいなと思っています」と語った。
最後には報道陣に「すみません、わざわざ今日は。無事に帰ってください。またぜひ遊びに来てください。またね!」と笑顔で手を振り、次の撮影現場へと向かっていった。