ジャパンディスプレイは5月10日、VRヘッドマウントディスプレイ(VR-HMD)用の高精細低温ポリシリコン液晶ディスプレイを開発したと発表した。精細度は1001ppiと、2017年に開発した803ppiタイプよりもさらに精細感を高めた。同時に、応答速度を高めて残像を低減したほか、リフレッシュレートを高めて違和感のもとになる遅延も減らした。2018年度からの量産を計画している。

  • 今回開発した1001ppiタイプの液晶ディスプレイ(右端)。細かな部分まで精細に描かれているのが分かる

VR-HMDはユーザーの目と表示パネルの距離が近いため、自然な表示で楽しむにはディスプレイの高精細化が求められる。ディスプレイのサイズを大きくすれば高精細化は簡単に実現できるが、VR-HMD自体が大きく重くなってしまうため、これ以上大型化することはできない。今回の新製品は、ディスプレイ自体のサイズを従来の3.6型から3.25型に小型化しつつ、精細度を従来の803ppiから1001ppiに高めたのがポイント。

同時に、画素の応答速度を4.5ミリ秒から2.2ミリ秒に高め、動画の残像やぼやけも低減した。さらに、パネルのリフレッシュレートを従来の90Hzから120Hzに高め、人物の実際の動きと表示のズレを短縮している。おもな仕様は以下の通り。

2017年発表モデル 2018年発表モデル
精細度 803ppi 1001ppi
サイズ 3.60型 3.25型
解像度 1920×RGB×2160 2160×RGB×2432
応答速度 4.5ミリ秒 2.2ミリ秒
リフレッシュレート 90Hz 120Hz