女優の永野芽郁が主演を務めるNHK連続テレビ小説『半分、青い。』(毎週月~土曜8:00~)で、ヒロイン・楡野鈴愛の幼なじみ・萩尾律を演じている佐藤健にインタビュー。この前編では、初出演の朝ドラのイメージや北川悦吏子氏の脚本の魅力、演じる律との共通点を語る。
遠い存在に感じていた朝ドラ
――朝ドラはどういうイメージでしたか?
撮影に入るとほかの作品と変わらず自分の役を演じるだけですが、始まる前は自分がやるような作品ではないようなイメージがありました。さわやかな朝の15分。意識的に映画をたくさんやろうという気持ちを持ったことはないんですけど、結果的にドラマの数より映画の数の方が多くて、なんとなく自分はそっちの方が性に合っているのかなと。その中でも普通の連ドラ以上にテレビというメディアを代表するような朝ドラは、なんとなく自分と接点がないんじゃないかというイメージでした。
――撮影始まってイメージは変わりましたか?
変わったというか、僕みたいな俳優でも出ていいんだと(笑)。当時のように壁はなく、距離感が近くなったようなが気がしています。
北川悦吏子氏の脚本の魅力
――北川作品に出演するというのは特別な思いがありますか?
純粋にドラマを見ていて好きだったんです。特に『ロンバケ』(『ロングバケーション』)がすごい好きで北川さんの作品のファンという思いもあったし、いつかご一緒できたらいいなとぼんやり思っていました。だから朝ドラをやることは大きいこと、拘束期間も長いなかで、北川さんに声をかけていただいたというのは「やってみよう」と思う大きい要素の一つでした。
――北川作品の魅力をどう感じていますか?
たくさんありますけど、まず脚本を読んで思ったことは、すごい絵が見えていて、その絵を伝えるための脚本だと。ただセリフやト書きが書いてあるだけではなく、こういう風にドラマを作りたいんだよっていう意志がそこにあって、ドラマを作る本質を見たような気がしました。そして、キャラクターのセリフがすごくおもしろくて、そこがキャラクターの魅力と作品の魅力につながっていると思いました。
――会見でもドラマへの手ごたえを語られていました。
脚本がおもしろい。僕自身も次の話を楽しみに読み進めちゃう状態ですし、現場に入って鈴愛を見ていても絶対みんな鈴愛のことを好きになるだろうと思います。主人公の鈴愛のことを好きになったら、鈴愛を見ているだけでおもしろいと思える作品になるので、きっとそれで最終回まで見てもらえると思います。
演じる律との共通点
――最初に台本を読んだとき、律のことをどう思いましたか?
最初に律のキャラクターを見たときは、自分っぽいなと感じました。だから、力を抜いて自然体で演じればいいのかなと。自分の要素が律と重なっているのかなという気がしました。
――重なると感じた具体的な点を教えてください。
理系の設定なんですけど、自分も理系でした。律はロボットを作ろうとしたりしていて、律が興味あることがけっこう自分と重なっています。あとは、みんなと同じテンションでいけないところがあって、どこか冷静でいてしまう。そういう子なんですけど、自分もそういうところがあったなと。
――バスケ部という設定はいかがですか?
バスケ部のエースということでバスケをやるシーンがあったんですが、バスケをほとんどやってこなかったので、クランクインの前からけっこう練習をやりました。
――今後、自分の年齢より上を演じていくことへの抵抗はありませんか?
いや、もう早くなってほしいです(笑)
佐藤健
1989年3月21日生まれ、埼玉県出身。ドラマ『ROOKIES』(2008)、『龍馬伝』(2010)、映画『るろうに剣心 京都大火編/伝説の最期編』(2014)、『世界から猫が消えたなら』、『何者』(2016)、『亜人』(2017)などに出演。エランドール賞新人賞、東京ドラマアワード主演男優賞、橋田賞など数々の賞も受賞し、映画『8年越しの花嫁 奇跡の実話』(2017)では第41回日本アカデミー賞優秀主演男優賞に輝いた。2018年は映画『いぬやしき』が公開、『ハード・コア』『億男』が公開予定。
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