インスタでマーケティング支援や、モデルキャスティング事業を展開するタグピク。同社は5月11日に新卒・中途社員の採用に「インスタグラマー特別枠採用」の適用を発表した。
同枠を利用して応募すると、インスタのフォロワー数が1000を超えていたら役員面接、5000を超えていたら社長面接からスタートできる。
初任給が最大708万円
同枠での採用は、フォロワー数の影響は、面接だけに留まらず、福利厚生にも大きく影響する。同社の「インフルエンサー手当」制度では、1万フォロワー以上の役職員に対し、フォロワー数に応じ、年収額を加算するという。これを活用すると、同社の初年度年収348万円(初任給29万円)に加えて、最大360万円(30万フォロワー相当)の合計708万円の初任給となる。
●フォロワー数当たりの支給額
1万フォロワーに対し、12万円を年収に加算
例えば、10万フォロワーいる新卒社員の場合
初任給:468万円(=基本給29万円×12ヶ月+インフルエンサー手当年間120万円)
それ以外にも、1万フォロワー以上で、個人の時間をインターネット上で売買するサービス「タイムバンク」の審査に合格した人は、勤務時間内に副業できるなど、様々な便宜をはかっている。
SNSでの「個」の発信力が企業活動にも影響を与える中、個のエンパワーメントの力を最大限に発揮させるのが今回の取り組みの狙いだとしている。
インスタでの影響力をスキルとして扱う同社の取り組みは、中途採用での人材要件定義では見慣れた光景だろう。しかし、ポテンシャル採用となる新卒採用で導入するのは珍しいのではないか。
採用には就業先の企業文化とのマッチングや、組織への凝集性など目に見えない要素も大きく左右する。そうした可視化できない部分をどう解消するのかも含め、同社の取り組みには注目したい。