社会人になると、「社内キテイ」「契約キテイ」「給与キテイ」など、さまざまな規則の下で働くことになります。では、これらの「キテイ」を漢字で書くと、「規程」「規定」のどちらになるのでしょうか? そこで本稿では、「規程」と「規定」の違いについて解説します。

■「規程」と「規定」の意味

「規程」の意味を調べてみると、「特定の目的のために定められた一連の条項の全体をひとまとまりとして呼ぶ語。国会の両院協議会に関する規程など」、また「官公署などにおける、内部組織・事務執行などののっとるべき規則」と記載されています。

一方「規定」は、「物事を一定の形に定めること。また、その定めた内容。きまり」「法令の条文として定めること。また、法令の個々の条文」という意味です。

いずれも、何らかの「きまり」を指す言葉であることが分かりました。

■「規程」と「規定」の違い

"きまり"を意味する「規程」と「規定」ですが、両者の違いはどこにあるのでしょうか。 両者の意味を比べてみると、規程には「一連の」、規定には「個々の」という言葉が含まれています。実は、「規定」は「個々の条文」のことで、それらをひとまとまりにしたものが「規程」なのです。一つひとつのファイルを規定とするならば、それをまとめたフォルダが規程です。

■「規則」と「規程」「既定」の関係

ビジネスシーンにおいて、誰もが耳にする"きまり"と言えば、「就業規則」ではないでしょうか。では、「規則」とは何なのか。

「規則」という言葉には、「行為や事務手続きなどが、それに基づいて行われるように定めた事柄。決まり」という意味があります。企業で用いられる「規則」は、業務の運営やその取扱いについて法令等に基づいて定めたもののことを言います。

例えば、「就業規則」は、従業員の労働条件や服務上の規律など、労使に関する全規程の総称です。就業規則の中には、「人事規程」や「賃金規程」「経理規程」など多くの規程が含まれます。そして、それぞれの規程の中には、細かく定められた手順や内容等である「規定」が存在します。一般的に、規程にある「第○条」というのが「規定」に該当します。


今回は、「規程」と「規定」の違い、さらに「規則」との関係性についてお話ししました。意味も漢字も似ているだけに少々分かりづらいかもしれませんが、誤った使い方をすることのないよう、しっかりと覚えておきましょう。