「Suite World 2018」について
イベントでは、2018年4月24日(米国時間)に、米ラスベガスで開催した同社の年次カンファレンス「Suite World 2018」についても言及。
Oracle NetSuite ネットスイートストラテジー&マーケティング担当シニアバイスプレジデントのJason Maynard氏は、「8回目となる今回のSuite World 2018には、約7000人が来場した。今回のイベントでは、カスタマーストーリーが注目を集めた」とし、これを受けて、Goldbergエグゼクティブバイスプレジデントは、「NetSuiteのユーザーのなかには、ビジネスをゼロから立ち上げた企業が、はじめからNetSuiteを利用し、一緒に成長を遂げたケースも多い。ある飲料水のベンチャー企業は、NetSuiteが最初からつき合ってきた企業であり、また小児癌に関する基金を募っている非営利団体にもNetSuiteが冠スポンサーとして、最初から技術を提供してきた。こうした活動を通じて社会にも貢献していきたい」などと述べた。
Goldbergエグゼクティブバイスプレジデントは、NetSuiteの強みについても改めて説明した。
「クラウド向けにゼロから開発したのがNetSuiteの特徴である。単なるソフトウェアとして提供するのではなく、アプリケーションをサービスとして提供しているのが基本姿勢でだ。当時はそういう言葉がなかったが、1998年からSaaSとして提供している企業である。また、スケールも強みであり、企業の成長にあわせて拡張できる。そして、誰でもが使えることができ、ポイントクリックでワークフローを変えることができる。たとえば、地域別の管理を行おうとすれば、マウスを数クリックするだけで使えるようになる。完全なスイート製品であり、運用管理部門や営業部門など、すべての組織で必要とする機能を提供している。競合他社の製品の場合には、CRMとeコマースのシステムを別に購入して組み合わせる必要があるが、NetSuiteはひとつのシステム、ひとつのアプリとして使ってもらえる」と発言。Maynardシニアバイスプレジデントは、「マイクロソフトなどの製品を利用している顧客は、バージョンが多く、製品数も多く、かわいそうだ。我々はそうした顧客を救いたいと考えている。NetSuiteにとってビジネスチャンスになる」と強気の発言をしてみせた。
今後の製品開発
一方で、今後の製品開発についても言及した。
シニアバイスプレジデントのJason Maynard氏は、「2018年10月に開催予定のOracle Open Worldで、新たなNetSuiteを発表できるだろう」と発言。「より広いソリューションを作ろうと考えている。ひとつのプロダクトで全社のビジネスを動かせるようにしたい。ここでは、パートナーエコシスムテムも活用して、顧客向けのカスタムソリューションとして提供することもできる」と述べた。
また、Goldbergエグゼクティブバイスプレジデントは、「Suite World 2018では、プロダクトに再投資することにも言及した。これは、オラクルの傘下に入ったことで可能になったことである。今後、アナリティクスについてはゼロからやりなおすことになり、新たなUIについてもゼロから焼き直すことになる。もともとカスタマズ性や柔軟性にこだわってきたプロダクトであるが、さらに、次世代の統合開発環境であるSuite Cloud DeveloperFrameworkを新たにスタートしたことで、最新のテクノロジーが柔軟に活用できるようになる。Eclipseを使えるようにしたり、Web StoreをIDのなかに統合したりといった取り組 みのほか、次世代のJava Scriptの機能も盛り込むことから、開発言語への対応の幅も広がる。また、eコマース向けの拡張プラグインも用意することで、イメージの活用やブログへの投稿も容易にできる機能も拡張する」などと語った。
オラクル傘下に入って約1年半を経過したNetSuiteは、独立性を維持しながらも、オラク ルが持つリソースを活用してビジネスを拡張。さらに製品を進化させ、その存在感を高めていることを強調するものになった。